令和元年度 社会福祉法人恩賜財団済生会支部 栃木県済生会宇都宮病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数 1740 290 462 894 1152 1430 2837 4397 2462 419
【集計方法と定義】
 ◇2019年度(H31年/R1年)に退院された患者さんの年齢を、階級別(10歳刻み)に集計しています。
 ◇年齢は入院時の満年齢です。
 ◇入院後24時間以内に死亡された患者さん、交通事故等による保険外診療(自費)の患者さん、緩和ケア病棟のみ入院された患者さんは集計対象外としています。

【解説】
 当院は母子医療センターおよびバースセンターの運営など、産科、小児科の診療も行っている関係から、新生児からご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいております。
 10歳刻みの年齢階級別にみると、60歳以上の割合が全体の62.89%と半数以上を占め、その中でも比較的ご高齢の70歳以上が45.25%を占めています。50歳代以下では、10歳未満の0歳代が全体の10.82%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110310XX99XX0X 腎盂腎炎・尿路感染症 44 11.45 12.58 - 78.30  
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 22 27.09 12.55 - 84.36  
080010XXXX0XXX 蜂窩織炎(蜂巣炎) 22 13.00 20.84 - 64.14  
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(リウマチ性多発筋痛・ANCA関連血管炎など) 14 20.43 15.48 - 81.36  
180010X0XXX0XX 敗血症(1歳以上) 10 31.90 19.29 - 77.50  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
 
【解説】
 内科は、さまざまな専門診療科と緊密な連携を取りながら感染症の診療を中心にあたっています。当科での入院患者数は、尿路感染症が最多でした。背景には、平均年齢が78歳を超えている事からも分かるように、高齢化が進んでいることが伺えます。男性であれば、前立腺による排尿障害が顕著になったり、女性でも日常活動が低下し、腹圧がかかりにくくなることなどで誘発されやすい状態になっていると思われます。また、基礎疾患に糖尿病などがあれば、さらに”易感染性”といって、バイ菌に負けやすい傾向も顕著になります。男女ともに、活動性の低下がきっかけとなり発症することが多いため、環境面での配慮も必要になる事が多く、当院のケースワーカーさんにも相談して対応しています。
 2番目に多いのは、誤嚥性肺炎です。肺炎は、呼吸器内科とも連携しながら治療にあたっておりますが、敗血症性のショックや他の重複疾患など全身管理が必要になる場合など、集中治療科と協力して診療にあたっています。特に高齢者などは、単一疾患だけではなく、免疫機能が低下している場合などは、一気に重症化することもあり、いわゆる全身管理が必要になる場合も多く見られます。高齢者が多く、基礎疾患も多岐にわたっているため、当科で担当させていただき、各専門家の意見を集約して対応しています。
 3番目に多いのは、蜂窩織炎(蜂巣炎)です。下肢などの皮膚及び皮下脂肪の細菌感染であり、これまでの手術などで、浮腫が残っていて起こしやすい方もいます。また、糖尿病による神経障害で、痛みという症状が出ないままに、ショック状態で救急搬送される方も少なくありません。蜂窩織炎の範疇を超えて、壊死を起こしたり、筋膜への波及も疑われる症例もあり、整形外科や集中治療科と一緒に取り組むこともあります。
 4番目に多いのは、重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(リウマチ性多発筋痛・ANCA関連血管炎など)です。Focus不明の感染症として救急外来から入院することが多い病気です。診断については、詳細な病歴とその身体初見、画像診断をしっかりとしなければ診断が容易ではありません。
 5番目に多いのは、敗血症です。細菌の侵入門戸は、尿路、腸管など多岐にわたります。ショック症状を対することもあり、三階西病棟のハイケアユニットをベースに、循環管理も行っています。
神経内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
010060X2990301 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内かつJCS10未満)SPECTあり 116 17.15 18.04 23.28 68.49  
010155XXXXX20X 筋委縮性側索硬化症 エダラボンあり 60 14.35 16.39 - 67.22  
010060X2990311 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内かつJCS10未満) SPECTあり てんかん・肺炎・尿路感染症などあり 30 20.37 20.16 - 74.33  
010230XX99X00X てんかん 30 9.03 7.10 - 58.83  
010040X099000X 脳出血(JCS10未満) 29 26.76 18.81 51.72 70.83  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
 
【解説】
 神経内科は神経疾患全般を対象としています。急性期疾患として脳卒中・てんかん重積・神経感染症を扱い、亜急性から慢性疾患として、重症筋無力症・多発性硬化症・神経変性疾患(パーキンソン病・脊髄小脳変性症)・認知症疾患など満遍なく診療しています。また栃木県では脳卒中の発症数が多く、当院は脳卒中(脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、くも膜下出血)の診断、治療に特に力を注いでおり、24時間365日血栓溶解療法(t-PAの投与)の体制がとられています。
 患者数別にみると、最も多いのは、JCS10(注1*)未満かつRS(注2*)0、1および2の発症から3日目以内の脳梗塞に対してSPECT(単一光子放射線型コンピューター断層撮影)装置を使用し適切に脳梗塞治療を行う患者さんです。脳梗塞は、血栓性、塞栓性、血行力学性があり、発症後の時間経過により、治療法は異なります
 2番目に多いのは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんです。症状の進行を抑制するためにエダラボン(ラジカット、エダラボン)の薬物療法を行います。筋萎縮性側索硬化症による症状は進行性の筋委縮と筋力低下です。片側上肢の筋力低下からはじまるケースが多く、進行に伴い上肢の機能障害、歩行障害、構音障害、嚥下障害、呼吸障害などが現れます。筋萎縮性側索硬化症の進行は早く、人工呼吸器を装着しないケースでは発症後平均3~5年ほどで呼吸不全におちいります。当院では日常生活を安定して過ごしていただける様、エダラボン療法と伴に、HAL(Hybrid Assistive Limb)という歩行介助ロボットリハビリに取り組んでいます。エダラボン療法を行いながら集中的なリハビリができることで、患者さんやご家族にも好評です。
 3番目に多いのは、最も多い患者さんと同じ治療を行う脳梗塞の患者さんですが、てんかんや肺炎、尿路感染症などの疾患を合併している患者さんです。
 4番目に多いのは、てんかんの患者さんです。特に脳腫瘍や脳卒中などの脳疾患が原因となり生じる症候性てんかんが半数を占めます。
 5番目に多いのは、JCS10未満の脳出血の患者さんです。脳出血の原因には、高血圧性や外傷、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破裂などがあります。高血圧性によるものが60%を占め、平均年齢も70.83歳と高くなっています。症状は出血部位によりことなりますが、一般的には頭痛、嘔吐、気分不快などを訴え、半身の運動麻痺や感覚障害、言語障害、失語症などをきたします。重症の場合には、意識状態が急速に悪化し、救命が困難になることもあります。脳梗塞と同様に後遺症を少なくするため、すぐに適切な高圧治療を開始しますが、麻痺などの重篤な神経症状が残る場合も多く、退院後も継続してリハビリをする必要があります。


注1* JCS(Japan Coma Scale:意識障害のレベル)  ※0:意識障害なし
    ■Ⅲ群:刺激しても覚醒しない
      300:まったく動かない
      200:手足を少し動かしたり顔をしかめたりする(除脳硬直を含む)
      100:払いのける動作をする
    ■Ⅱ群:刺激すると覚醒する
      30:かろうじて開眼する
      20:痛み刺激で開眼する
      10:呼びかけで容易に開眼する
    ■Ⅰ群:覚醒している
      3:名前、生年月日が言えない
      2:見当識障害あり
      1:清明とはいえない

 注2* RS(Rankin Scale)   ※発症前RSは、発症前おおむね1週間のADLを推定しています。
    0:まったく症候がない
    1:明らかな障害はない/日常の勤めや活動は行える
    2:軽度の障害/自分の身の周りのことは介助なしで行える
    3:中等度の障害/何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
    4:中等度から重度の障害/歩行や身体的要求には介助が必要である
    5:重度の障害/寝たきり、失禁状態、常に介助と見守りを必要とする
    6:死亡
呼吸器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040XX9910XX 肺癌 気管支鏡生検などあり 180 2.51 3.34 - 70.56  
040040XX99040X 肺癌 化学療法あり 91 6.81 9.59 - 70.44  
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 66 20.39 18.84 - 71.86  
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 53 27.00 20.84 32.08 83.09  
040040XX9908XX 肺癌 化学療法(ラムシルマブなど)あり 33 7.94 10.59 - 64.79  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 呼吸器内科は呼吸器全般にわたる診療を行っています。救急救命センターを併設しているため、緊急性のある患者さんを積極的に受け入れています。特に入院を要する急性呼吸不全、重症の肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患および肺癌の診断・治療に重点を置いています。
 患者数別にみると、最も多いのは、肺癌(疑いも含む)に対して、気管支鏡等による生検を行う患者さんです。検査入院のため、平均在院日数は2.51日と短くなっています。
 2番目に多いのは、肺癌に対して化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。外来でも化学療法を行いますが、化学療法が初めての方や抗がん剤の種類、患者さんの状態に応じて入院で行っています。
 3番目に多いのは、間質性肺炎の患者さんです。上気道感染様症状に引き続いて、急速に進行することもあり、呼吸困難や呼吸不全に至る場合もあります。
 4番目に多いのは、誤嚥性肺炎の患者さんです。誤嚥性肺炎は高齢者が罹患することが多く、平均年齢も83.09歳となっています。
 5番目に多いのは、肺癌に対してラムシルマブ(サイラムザ)やベバシズマブ(アバスチン)という注射薬剤を使用し、化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。
 肺癌は現在、癌死亡順位のトップとなっており、患者さんの数も増加しています。抗がん剤の種類も近年増加し、患者さんの病期に応じて化学療法を中心とした治療を行っています
消化器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060100XX01XX0X 大腸腺腫 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術あり 104 2.36 2.63 - 66.52  
060102XX99XXXX 大腸憩室炎(穿孔または膿瘍を伴わない) 59 7.36 7.65 - 66.00  
060340XX03X00X 胆管結石、胆管炎 内視鏡的乳頭切開術等あり 55 10.15 9.79 - 76.67  
060140XX97X00X 胃十二指腸潰瘍 内視鏡的消化管止血術等あり 53 9.19 10.49 - 68.75  
060350xx99x00x 急性膵炎 44 10.11 11.02 - 55.41  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 消化器内科は消化器全般にわたり診断治療を行っています。特に炎症性腸疾患と肝疾患全般の診療に重点を置いています。
 患者数別にみると、最も多いのは、大腸腺腫やポリープなどの良性腫瘍に対して内視鏡で切除を行う患者さんです。入院当日もしくは入院翌日に手術を行い、手術翌日には退院となるため、平均在院日数は2.36日と短くなっています。
 2番目に多いのは、大腸の憩室炎の患者さんです。糞便が憩室内に停滞し、急性憩室炎を起こすと、腹痛を訴え、発熱などきたします。初期治療は抗生物質療法が基本ですが、穿孔や腹膜炎、大量出血などを起こした場合は、外科的な腸切除が必要となることもあります。
 3番目に多いのは、総胆管結石や胆管炎、胆管狭窄などの胆道疾患に対し、内視鏡を用いて胆道の出口(乳頭部)を切開し結石を除去したり、胆管ステント留置を行う患者さんです。総胆管結石は通常無症状ですが、大きな結石が嵌頓した場合は、閉塞性黄疸などの症状が出現します。胆管炎を伴うと発熱もみられ、急性閉塞性化膿性胆管炎を起こすと敗血症からショックに至ることもあり、生命にかかわることもあります。
 4番目に多いのは、出血を伴う胃潰瘍や十二指腸潰瘍に対して内視鏡的消化管止血術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、急性膵炎の患者さんです。重症膵炎に対しては蛋白分解酵素阻害剤持続動注を施行することもあります。
循環器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
050050XX02000X 狭心症 経皮的冠動脈形成術等あり 377 3.98 4.40 - 69.72  
050050XX99100X 狭心症 心臓カテーテル検査等あり 233 3.22 3.01 - 68.51  
050050XX99200X 狭心症 心臓カテーテル検査+血管内超音波検査等あり 178 3.12 3.15 - 69.24  
050130XX99000X 心不全 143 14.47 17.71 9.09 81.45  
050030XX97000X 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等あり 108 9.51 12.37 - 67.58  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 循環器内科は虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、弁膜症、肺塞栓症、下肢動脈硬化症、不整脈、先天性心疾患などすべての循環器疾患に対して質の高い医療を提供できる診療体制を整えています。とくに心臓救急疾患については、当院が宇都宮医療圏唯一の救命救急センターであることから、常に迅速で高度な医療が実践できるようスタッフ一同24時間体制で努力を続けています。
 患者数別にみると、最も多いのは、狭心症に対してカテーテルを使用し冠動脈の狭窄や閉塞部分の治療を行う患者さんです。予約入院で待機的に治療を行うだけでなく、救急救命センターを併設しているため、緊急カテーテル治療にも対応しています。平均在院日数は3.98日と全国平均より短くなっています。
 2番目に多いのは、狭心症に対して冠動脈の狭窄や閉塞部分の状態を確認するため心臓カテーテル検査を行う患者さんです。中等度の冠動脈狭窄は、薬による治療が望ましい場合があるため、症例ごとにカテーテル治療の適応を厳格に検討しております。
 3番目に多いのは、2番目に多い狭心症の患者さんと同様ですが、心臓カテーテル治療時に、血管内超音波検査等を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、心不全の患者さんです。高齢者や心臓弁膜症などの基礎疾患を持っている患者さんなど重症例にも対応できるよう、集中治療室での全身管理も行っております。
 5番目に多いのは、急性心筋梗塞に対し心臓カテーテルを使用し冠動脈の狭窄や閉塞部分の治療を行う患者さんです。発症から数時間以内の超急性期の場合は、梗塞領域の縮小を目的にカテーテル手術を行います。当院では来院時(救急外来)より90分以内にカテーテル手術を実施できるよう24時間体制をとっています。
血液・リウマチ科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 化学療法(リツキシマブ)あり 45 20.36 15.79 - 73.02  
130010XX97X2XX 急性白血病 輸血あり 化学療法あり 34 87.09 39.36 - 66.32  
130030XX97X40X 非ホジキンリンパ腫 輸血あり 化学療法(リツキシマブ)あり 13 50.69 31.30 - 71.54  
130030XX99X30X 非ホジキンリンパ腫 化学療法あり 11 32.00 16.50 - 74.45  
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫 化学療法(ボルテゾミブ等)あり 10 30.50 22.79 - 71.70  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 血液・リウマチ科は白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの造血器腫瘍、再生不良性貧血・骨髄異形成症候群・鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・溶血性貧血などの各種貧血症、特発性血小板減少性紫斑病・血友病などの出血性疾患を主体とする血液疾患全般を診療対象としています。
 患者数別にみると、最も多いのは、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)に対してリツキサンという注射薬で化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。非ホジキンリンパ腫は、リンパ節、脾臓、胸腺、扁桃などを含むリンパ組織、消化管、肝、甲状腺その他あらゆる臓器にも腫瘤を形成します。タイプおよび病期により治療法が異なり、化学療法が治療の主体となります。
 2番目に多いのは、急性白血病に対して化学療法と輸血を行う患者さんです。急性白血病は血液細胞の中の未分化な白血球が急激に増殖をきたし、骨髄内では他の血球である赤血球、血小板生成を障害し、また全身に浸潤する疾患です。細胞の形態機能により骨髄性、リンパ性、単球性、前骨髄球性などに分けられます。当院では、骨髄異形成症候群から急性骨髄性白血病に移行した患者さんが多数です。
 3番目に多いのは、非ホジキンリンパ腫に対してリツキサンによる化学療法と輸血を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、非ホジキンリンパ腫に対して化学療法を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、多発性骨髄腫に対して、ボルテゾミブやレナリドミド水和物などの薬剤を用いて化学療法を行う患者さんです。多発性骨髄腫は骨髄のなかの形質細胞(リンパ球の一種)が腫瘍化して異常に増殖する疾患です。
糖尿病・内分泌内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
100070XX99X110 2型糖尿病(腎等の合併症あり)(末梢循環不全なし)インスリン療法あり 肝硬変等あり 85歳未満  19 13.89 15.20 - 62.74  
100180XX991XXX 原発性アルドステロン症 副腎静脈サンプリングあり 17 4.00 3.80 - 54.41  
100070XX99X010 2型糖尿病(腎等の合併症あり)(末梢循環不全なし)肝硬変等あり 85歳未満  16 8.06 11.68 - 63.39  
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシス 15 11.73 13.41 - 46.60  
100071XX99X010 2型糖尿病(多発合併症あり)(末梢循環不全あり)85歳未満 15 9.80 12.02 - 66.73  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 糖尿病・内分泌内科は糖尿病・脂質異常症などの代謝疾患、甲状腺疾患や脳下垂体・副腎疾患などの内分泌疾患を診療の対象としています。
 患者数別にみると、最も多いのは、腎合併症などを伴う85歳未満の2型糖尿病に対してインスリン製剤の注射薬を用いて教育入院を行う患者さんです
 2番目に多いのは、原発性アルドステロン症に対して副腎静脈サンプリング(注1*)を行う患者さんです。原発性アルドステロン症とは、副腎(腎臓の上にある臓器)からアルドステロンと呼ばれるホルモンが大量にでてしまう疾患です。
 3番目に多いのは、腎合併症などを伴う85歳未満の2型糖尿病に対して教育入院を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、糖尿病性ケトアシドーシスの患者さんです。血糖値の異常に関連して意識障害や昏睡をきたす急性疾患のため、緊急入院の場合が多くあります。
 5番目に多いのは、多発合併症を伴う85歳未満の2型糖尿病に対して教育入院を行う患者さんです。


注1* 副腎静脈サンプリングとは、大腿静脈からカテーテルを挿入し、左右の副腎静脈までカテーテルを進め、左右別個に血液採取する検査方法です。
腎臓内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110280XX99010X 慢性腎不全 血液透析あり 56 10.63 14.23 - 68.25  
110280XX02X1XX 慢性腎不全 内シャント設置術等あり 血液透析あり 48 31.54 36.04 - 66.75  
110280XX02X00X 慢性腎不全 内シャント設置術等あり 36 10.94 8.48 - 68.75  
110280XX99000X 慢性腎不全・IgA腎症等 24 10.79 11.67 - 60.13  
110280XX991X0X 慢性腎不全・IgA腎症等 経皮的腎生検あり 22 6.68 7.00 - 43.32  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 腎臓内科は慢性腎臓疾患(CKD)や急性腎障害(AKI)、および様々な水分・電解質異常の診断、治療を行っています。高齢化社会に伴い、腎臓病を発症する方が増加しており、当科を受診する患者さんも増えております。
 患者数別にみると、最も多いのは、慢性腎不全に対して血液透析を行う患者さんです。慢性腎不全の増悪や尿毒症、肺水腫、急性呼吸不全などの合併症をおこし緊急入院する場合が多いです。
 2番目に多いのは、慢性腎不全に対して内シャント設置術を行い、血液透析の導入を入院中に行う患者さんです。
 3番目に多いのは、2番目と同様に慢性腎不全に対して内シャント設置術を行う患者さんですが、血液透析準備として行います。
 4番目に多いのは、慢性腎不全やIgA腎症、慢性腎炎の治療を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、慢性腎不全や慢性腎炎に対して経皮的腎生検を行う患者さんです。
 慢性腎不全は、何らかの原因で腎機能が障害され、体液の恒常性が維持できなくなった状態が長期間かけ進行したものです。できる限り腎機能低下を止めるように管理するべきであり、食事療法など合併症予防のための教育が必要となります。進行した場合は、血液浄化療法(血液透析など)が必要となります。
小児科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040090XXXXXX0X 急性気管支炎・急性細気管支炎 178 6.13 6.19 - 0.74  
140010X199X1XX 新生児疾患(出生時体重2500g以上)中心静脈注射等あり 147 8.84 11.21 - 0.00  
010230XX99X00X てんかん 109 4.49 7.10 - 4.79  
040100XXXXX00X 気管支喘息発作・小児喘息性気管支炎 96 5.68 6.64 - 3.23  
0400801199X00X 細菌性肺炎等(1歳以上15歳未満) 90 6.40 5.69 - 2.59  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 小児科は先天性心疾患をはじめ、急性期、慢性期を問わず、あらゆる疾患に対し受け入れをしています。NICU(新生児集中治療室)・小児循環器部・産科を統合し、特色のある2次周産期施設として母子医療センターを運営しており、周産期から小児科医が積極的に関与しています。
 患者数別にみると、最も多いのは、RSウイルス等による急性気管支炎や急性細気管支炎の患者さんです。主に2次、3次救急に対応しているため、他の病院からの紹介患者さんも多く、平均年齢が0.74歳と低くなっています。
 2番目に多いのは、出生時体重2500g以上の新生児で、中心静脈注射等を行う患者さんです。新生児黄疸や呼吸障害、哺乳不全などに対応しています。
 3番目に多いのは、てんかんの患者さんです。基礎疾患を伴う難治てんかんの患者さんも多く、多剤併用療法行ったり、長時間ビデオ脳波で難しい患者さんの診断を行ったりしています。
 4番目に多いのは、気管支喘息・小児喘息性気管支炎の患者さんです。
 5番目に多いのは、細菌による肺炎の患者さんです。
外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術あり 175 3.53 4.85 - 67.84  
060335XX02000X 胆のう炎・胆のうポリープ等 腹腔鏡下胆のう摘出術等あり 106 5.80 7.13 - 59.82  
060210XX99000X 癒着性イレウス 84 9.99 8.89 - 71.56  
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)等あり 82 4.98 5.45 - 32.61  
060020XX02X00X 胃癌 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術)等あり 73 14.63 16.12 - 69.84  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 一般消化器外科は消化器系と乳腺を含めた疾患を診療しています。対象疾患は、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆のうなど)の良性および悪性疾患、成人および小児のヘルニアなどです。また、当院はがん診療連携拠点病院でもあり、多くの消化器癌の手術および化学療法の先進医療に取り組んでいます。
 患者数別にみると、最も多いのは、15歳以上の鼠径ヘルニアに対してヘルニア手術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は3.53日と短くなっています。
 2番目に多いのは、胆石性胆のう炎や胆のうポリープに対して、腹腔鏡下で胆のう摘出を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は5.80日と短くなっています。
 3番目に多いのは、癒着性イレウスの患者さんです。腹部の手術をしたことがある患者さんは、手術直後などの時期を問わず、他の腸や腹壁と癒着することがあり、腸管内容の通過が障害されることが原因です。当院は幅広い手術内容と多くの手術件数を有し、他の病院からの受け入れも多いため、この疾患の患者さんが多くなっています。
 4番目に多いのは、虫垂炎に対して、腹腔鏡下で虫垂切除を行う患者さんです。虫垂炎は一般的に「盲腸」と呼ばれることも多いですが、盲腸の末端にある突起を虫垂といい、炎症を起こす疾患が虫垂炎です。緊急入院で手術を行う場合と、炎症が落ち着いてから予約入院で待機的に手術する場合があります。
 5番目に多いのは、胃癌に対して開腹や腹腔鏡下で部分的に胃の切除術を行う患者さんです。腫瘍の大きさや患者さんの状態にもよりますが、腹腔鏡下で手術を行う場合が多くなっています。
呼吸器外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040XX97X0XX 肺癌 肺悪性腫瘍手術等あり 139 6.92 11.51 - 71.26  
040040XX9910XX 肺癌 気管支鏡検査等あり 39 2.13 3.34 - 70.87  
040040XX9908XX 肺癌 化学療法(ベバシズマブ等)あり 35 3.31 10.59 - 72.20  
040200XX99X00X 自然気胸・続発性気胸 28 7.43 9.11 - 43.50  
040200XX01X00X 自然気胸・続発性気胸 胸腔鏡下肺切除術あり 22 10.05 10.18 - 33.36  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 呼吸器外科は、呼吸器内科とともに呼吸器全般にわたる診療を行っています。対象疾患は、肺・気管・気管支の疾患、気胸、縦隔の疾患、胸壁・横隔膜の疾患、胸部外傷です。
 患者数別にみると、最も多いのは、肺癌に対して悪性腫瘍切除術を行う患者さんです。小さな傷で手術を行う胸腔鏡下手術または、胸腔鏡補助下手術(VATS)での切除を行っており、肺癌手術症例の約80~90%に達します。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は6.92日と短くなっています。
 2番目に多いのは、肺癌(疑いも含む)に対して確定診断のために気管支鏡などによる生検を行う患者さんです。検査入院のため、平均在院日数は2.13日と短くなっています。
 3番目に多いのは、肺癌に対してベバシズマブ(アバスチン)という注射薬剤を使用して化学療法(抗がん剤治療)行う患者さんです。入院翌日に抗がん剤を投与し、副作用などの問題がなければ翌日退院となります。
 4番目に多いのは、自然気胸や続発性気胸に対して保存的に治療を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、自然気胸や続発性気胸に対して手術を行う患者さんです。手術は、再発の症例や入院後1週間以上空気が漏れて止まらない症例、両側の症例、血胸を伴う症例、手術を希望する症例に対して行っています。手術方法は胸腔鏡下で行うことを基本としています。
整形外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
160800XX01XXXX 大腿骨近位端骨折 人工骨頭挿入術等あり 121 24.35 25.94 77.69 76.94  
07040XXX01XXXX 変形性膝関節症・大腿骨頭壊死 人工股関節置換術等あり 97 16.78 21.53 13.40 65.92  
070343XX01X0XX 腰部脊柱管狭窄症 脊椎固定術等あり 46 21.54 20.93 - 68.30  
160760XX97XXXX 前腕(橈骨・尺骨)骨折 骨折観血的手術等あり 44 3.59 5.54 - 55.20  
070341XX020XXX 頚椎症性脊髄症 脊椎固定術等あり 36 19.61 20.26 - 64.39  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
 ◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。

【解説】
 整形外科は、骨・関節・筋肉・脊椎脊髄・神経などの運動器の疾患から外傷までを幅広く診療しています。当科の基本方針は安全・確実な治療を行うことであり、その中に最新の知識や技術を導入しています。脊椎・脊髄外科、人工関節手術などの関節外科、上肢の外科、骨折・脱臼などの外傷外科についてはその専門の医師が対応しています。
 患者数別にみると、最も多いのは、大腿骨近位の骨折に対して人工骨頭挿入術や、髄内釘などを用いて骨折手術を行う患者さんです。大腿骨近位の骨折は転倒によるものが多く、高齢者に多いため平均年齢も76.94歳と高くなっています。そのため、他の病院へ転院し継続してリハビリを行う場合が多く、転院率も77.69%となっています。
 2番目に多いのは、大腿骨頭壊死や変形性股関節症に対して人工関節置換術等を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症に対して脊椎固定を行う患者さんです。脊柱管狭窄は、脊柱管に何らかの原因によって狭窄が生じた状態で、神経症状をきたします。最も多い腰部の脊柱管狭窄では、下肢の痛みやしびれが症状として出現します。
 4番目に多いのは、前腕(橈骨・尺骨)骨折に対してプレートなどを用いて骨折手術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、頚椎症性脊髄症に対して脊椎固定術等を行う患者さんです。
形成外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
080007XX010XXX 皮膚良性腫瘍 腫瘍摘出術あり 18 2.67 4.01 - 45.89  
070010XX970XXX 骨軟部の良性腫瘍 皮下腫瘍摘出術あり 10 3.00 4.67 - 48.20  
070010XX010X0X 骨軟部の良性腫瘍 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術あり 10 4.60 5.41 - 53.40  
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【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇4位以下のDPCコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 形成外科は、外傷(軟部組織損傷、顔面骨骨折、熱傷)、体表の先天性の形態異常(口唇裂、耳介変形、多指症、合指症など)、皮膚・皮下の腫瘍などに対しての診療を行っています。手術の約8割は、外来での局所麻酔手術を行っておりますが、患者さんの状態や手術の内容によっては入院での手術を行っています。
 患者数別にみると、最も多いのは、皮膚腫瘍や皮下腫瘍(脂肪腫など)に対して切除術を行う患者さんです。平均在院日数は2.67日と全国と比較しても短くなっています。
 2番目に多いのは、肩・背部・上腕や大腿などの良性皮下腫瘍に対して摘出を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、肩・背部などの良性軟部腫瘍に対して摘出を行う患者さんです。
脳神経外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
010030XX9910XX 未破裂脳動脈瘤 血管造影検査あり 34 3.03 3.01 - 62.15  
160100XX99X00X 急性硬膜下血腫・脳挫傷・外傷性くも膜下出血 手術なし 34 8.26 7.34 - 52.29  
160100XX97X00X 急性硬膜下血腫・外傷性慢性硬膜下血腫 硬膜下血腫穿孔洗浄術等あり 32 12.53 9.67 - 75.28  
160100XX99X01X 急性硬膜下血腫・脳挫傷・外傷性くも膜下出血 誤嚥性肺炎・尿路感染症等あり 16 23.06 21.73 68.75 73.38  
010020X101X1XX 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(JCS10以上)脳動脈瘤クリッピング術あり 人工呼吸等あり  14 64.79 46.71 100.00 66.07  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
 ◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。

【解説】
 脳神経外科は、県内外の大学とも積極的に交流してより質の高い医療を目指し、先進治療も積極的に取り入れています。対象疾患は脳腫瘍(髄膜腫、頭蓋底腫瘍、下垂体腫瘍、聴神経腫瘍、神経膠腫など)、脳動脈瘤(くも膜下出血、未破裂動脈瘤)、脳動静脈奇形、頭部外傷、脳梗塞(バイパス手術、頚動脈血栓内膜剥離術など)、機能的疾患(三叉神経痛、顔面けいれん)を含む脳神経外科疾患全般です。また、脳動脈瘤、脳虚血性疾患に対する血管内治療、神経内視鏡などの低侵襲治療に力を入れています。
 患者数別にみると、最も多いのは、未破裂脳動脈瘤に対して血管造影検査を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が3.03日と短くなっています。
 2番目に多いのは、脳震盪、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、外傷性急性硬膜下血腫などの頭蓋・頭蓋内損傷に対して保存的加療を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、急性硬膜下血腫や外傷性慢性硬膜下血腫に対して慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術(注1*)を行う患者さんです。慢性硬膜下血腫は軽度の頭部外傷から3週間以上を経て、硬膜下に徐々に血液が貯留していく疾患で、血腫増大とともに、圧迫症状が出現します。高齢者の転倒による場合が多く、歩行障害や片麻痺、認知症症状などで受診し診断されます。平均年齢からみてもわかるように、73.38歳と高齢になっています。
 4番目に多いのは、2番目と同様に、脳震盪、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、外傷性急性硬膜下血腫などの頭蓋・頭蓋内損傷に対して、保存的加療を行う患者さんです。平均年齢が73.38歳と高齢のため、誤嚥性肺炎や尿路感染症を合併しやすく、平均在院日数が23.06日と長くなっています。
 5番目に多いのは、JCS(注2*)10以上の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対して、脳動脈瘤クリッピング術と人工呼吸や中心静脈注射などを行う患者さんです。退院後も継続してリハビリをする必要があるため、転院率は100%となっています。

注1* 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術  硬膜下血腫に対して頭蓋骨に穴をあけ、血腫を抽出・洗浄し、ドレナージを行う手術

注2* JCS(Japan Coma Scale:意識障害のレベル)  ※0:意識障害なし
    ■Ⅲ群:刺激しても覚醒しない
      300:まったく動かない
      200:手足を少し動かしたり顔をしかめたりする(除脳硬直を含む)
      100:払いのける動作をする
    ■Ⅱ群:刺激すると覚醒する
      30:かろうじて開眼する
      20:痛み刺激で開眼する
      10:呼びかけで容易に開眼する
    ■Ⅰ群:覚醒している
      3:名前、生年月日が言えない
      2:見当識障害あり
      1:清明とはいえない
心臓血管外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
050163XX03X0XX 胸部、腹部大動脈瘤 ステントグラフト内挿術あり 75 10.81 11.75 - 74.97  
050210XX97000X 房室ブロック・洞不全症候群 ペースメーカー植え込み術等あり 46 4.22 10.80 - 79.02  
050163XX97X0XX 腸骨動脈瘤 血管内塞栓術等あり 31 5.32 7.65 - 76.16  
050161XX01X1XX 解離性大動脈瘤 ステントグラフト内挿術あり 人工呼吸等あり 27 20.70 24.26 - 62.81  
050161XX97X10X 解離性大動脈瘤 大動脈瘤切除術等あり 人工呼吸等あり 25 29.00 27.88 - 65.76  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 心臓血管外科は、循環器内科・小児科・放射線科との綿密な連携の下、様々な循環器疾患に対する治療を行っています。また、最近では生命を救うことはもちろんのこと、できるだけ患者さんへの負担を少なく、さらに手術後の日常生活をより良いものにすることも目指した手術や治療が行われています。
 対象疾患は心臓弁膜症や冠動脈疾患、心房中隔欠損症などの先天性心疾患、急性大動脈解離や胸部大動脈瘤などの大動脈疾患など、閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、不整脈などの循環器疾患です。
 患者数別にみると、最も多いのは、胸部や腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術(注1*)を行う患者さんです。高齢者や合併症を持つ患者さんにとって負担の少ない手術のため、平均年齢が74.97歳と高くなっています。
 2番目に多いのは、房室ブロックや洞不全症候群などの不整脈に対して、新規でペースメーカーの植え込みまたは交換を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は4.22日と短くなっています。
 3番目に多いのは、腸骨動脈瘤に対し、血管塞栓術などを行う患者さんです。
 4番目に多いのは、解離性大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術(注1*)および人工呼吸や中心静脈注射を行う患者さんです。緊急入院が多いため、平均在院日数は20.70日と長くなっています。
 5番目に多いのは、解離性大動脈瘤に対して大動脈瘤切除および人工呼吸や中心静脈注射を行う患者さんです。


注1* ステントグラフト内挿術  大きく皮膚を切開することなく、ステントグラフトを用いた経カテーテル的血管内治療。大腿動脈切開部からガイドワイヤーを使用し、目標の動脈瘤の中枢と末梢測の健常部分にステントグラフトを拡張し留置する治療法。 
耳鼻咽喉科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
030240XX99XXXX 扁桃周囲膿瘍・急性扁桃炎・急性喉頭咽頭炎 手術なし 66 5.68 5.45 - 43.83  
030150XX97XXXX 耳下腺、鼻腔、咽頭などの良性腫瘍 摘出術あり 62 6.29 7.24 - 58.03  
100020XX010XXX 甲状腺癌 甲状腺悪性腫瘍手術あり 47 8.57 8.44 - 55.49  
030240XX01XXXX 扁桃周囲膿瘍・深頚部膿瘍・急性喉頭蓋炎 扁桃周囲膿瘍切開術等あり 45 8.71 7.76 - 40.02  
030230XXXXXXXX 慢性扁桃炎 扁桃摘出術あり 43 7.07 7.80 - 34.37  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 耳鼻咽喉科は、一般には「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」と呼ばれ、頭頚部領域の手術を中心に耳・鼻・舌口腔・咽喉頭(のど)・唾液腺・頸部の病気を専門にしています。また、地域基幹病院として、精密検査や専門治療が必要な患者さん、入院を必要とする患者さん、主に手術を必要とする患者さんを中心に診療を行っています。
 患者数別にみると、最も多いのは、急性扁桃炎や喉頭炎、扁桃周囲膿瘍に対して抗生物質の点滴治療や内服治療を行う患者さんです。外来でも治療することがありますが、当院では比較的重症な患者さんが入院治療となっています。
 2番目に多いのは、鼻腔や耳下腺、扁桃などの良性腫瘍に対して摘出術を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、甲状腺癌に対して悪性腫瘍手術(摘出術)を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、扁桃周囲膿瘍や深頚部膿瘍、急性喉頭蓋炎に対して膿瘍切開術などを行う患者さんです。
 5番目に多いのは、慢性扁桃炎に対し扁桃摘出術を行う患者さんです。
産婦人科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
120180XX01XXXX 既往帝王切開後妊娠 帝王切開術等あり 169 7.97 9.66 - 33.99  
120060XX01XXXX 子宮筋腫 子宮全摘出術等あり 128 7.92 9.71 - 44.34  
120260XX01XXXX 胎児機能不全等の分娩異常 緊急帝王切開術等あり 93 7.59 9.53 - 33.06  
120070XX02XXXX 卵巣のう腫 卵巣部分切除等あり 68 6.03 6.21 - 44.37  
12002XXX99X40X 子宮癌 化学療法あり 57 4.51 4.58 - 60.72  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 産婦人科は、母子医療センターを有し、不妊症から周産期、婦人科悪性腫瘍に至るまで、産婦人科領域のほとんどの疾患を診療しています。また、救命救急センターを併設し、地域の第3次救急の役割を担っているため、救急搬送や他の病院からの紹介患者さんも多く、常時救急に備えた診療体制をとっています。
 患者数別にみると、最も多いのは、骨盤位(逆子)や既往帝王切開後妊娠(以前に帝王切開をしたことがある)に対して帝王切開術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が7.97日と短くなっています。
 2番目に多いのは、婦人科領域である子宮筋腫に対して子宮全摘術や子宮筋腫摘出術を行う患者さんです。子宮筋腫は主に30~40歳代で発症することが多く、手術時の平均年齢は44.34歳となっています。
 3番目に多いのは、胎児機能不全(胎児仮死)や胎児回旋異常、前期破水など分娩時の合併症に対して緊急帝王切開術を行う患者さんです。自然分娩進行中に急遽帝王切開に切り替わるため、予定で帝王切開術を行う患者さんよりも平均在院日数が7.59日と少し長くなっています。
 4番目に多いのは、卵巣のう腫に対して卵巣部分切除や腹腔鏡子宮附属器腫瘍摘出術などを行う患者さんです。
 5番目に多いのは、進行した子宮癌に対して化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。
眼科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
020110XX97XXX0 白内障 水晶体再建術等あり 片眼 667 3.04 2.78 - 74.94  
020200XX9710XX 黄斑円孔・網膜前膜 硝子体茎顕微鏡下離断術あり 32 6.59 6.71 - 72.22  
020180XX97X0X0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 片眼 24 7.50 7.29 - 66.13  
020160XX97XXX0 網膜剥離 硝子体茎顕微鏡下離断術あり 片眼 16 8.38 9.33 - 61.56  
020110XX97XXX1 白内障 水晶体再建術等あり 両眼 12 3.17 5.09 - 72.00  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 眼科は、眼科全般にわたる専門知識を有し、さらに最先端機器を導入することにより患者さんの立場に立った医療の提供に努めています。
 診断群分類別患者数にみると、最も多いのは白内障に対して水晶体再建術を行う患者さんです。当院では全例、入院の上、原則として片眼ずつ行っており、クリニカルパスを使用し在院日数は3日です。
 2番目に多いのは、網膜前膜や黄斑円孔の患者さんです。平均在院日数はクリニカルパスを適用し6.59日です。
 3番目に多いのは、増殖性糖尿病網膜症の患者さんで、平均在院日数は7.50日です。
 4番目に多いのは、網膜剥離の患者さんですが、眼内に空気を入れますので平均在院日数は8.38日となっています。
 5番目に多いのは、全身麻酔で両眼白内障手術を行う患者さんです。
泌尿器科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110080XX991X0X 前立腺癌 前立腺針生検法あり 207 3.15 2.49 - 69.29  
110070XX0200XX 膀胱癌 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術あり 144 4.92 7.07 - 72.78  
11012XXX020X0X 尿管結石・腎結石 経尿道的尿路結石除去術あり 82 4.46 5.61 - 59.15  
110420XX02XX0X 水腎症 経尿道的尿管ステント留置術等あり 55 2.24 4.22 - 70.80  
110080XX01XXXX 前立腺癌 前立腺悪性腫瘍手術等あり 47 13.49 12.18 - 68.00  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。

【解説】
 泌尿器科は、泌尿器科疾患全般に対して、本邦でもトップクラスの症例数を誇り、最先端の知見と高い技術を持って対応しています。特に癌診療においては低侵襲手術(腹腔鏡手術、ロボット支援手術)・機能温存手術・再建手術から最新の薬物療法まで治療のラインナップを揃え、患者さんに合わせた診療を行っています。
 患者数別にみると、最も多いのは、前立腺癌や前立腺癌疑いに対して確定診断を得るために、前立腺針生検法を行う患者さんです。入院翌日に生検を行い、生検翌日に退院となります。
 2番目に多いのは、膀胱癌に対して経尿道的膀胱悪性腫瘍手術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が4.92日と短くなっています。
 3番目に多いのは、尿管結石や腎結石に対してレーザーによる経尿道的尿路結石除去術を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、尿管狭窄や水腎症に対して尿管ステント留置術や尿管狭窄拡張術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は全国平均と比較して短くなっています。
 5番目に多いのは、前立腺癌に対して前立腺悪性腫瘍摘出術を行う患者さんです。そのうち約7割の患者さんが手術支援ロボット「ダヴィンチ」(注1* )用いた手術を行っています。開腹手術と比較して、傷口が小さいため身体への負担が少ない、入院期間が短い、尿失禁の早期改善などのメリットがあります。


注1* 手術支援ロボット「ダヴィンチ」  患者さんの体に1~2cmの小さな穴を数か所開け、そこへロボットアームや内視鏡を挿入します。術者は患者さんに触れずに、離れた場所から高画質で立体的な3D画像を見ながら、ハンドルやフットペダルを操作して手術を行います。
救急・集中治療科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
161070XXXXX00X 薬物中毒 44 2.41 3.52 - 41.91  
180010X0XXX2XX 敗血症(1歳以上)人工呼吸等あり 26 22.04 33.26 46.15 71.04  
160100XX99X00X 脳震盪・脳挫傷・外傷性くも膜下出血  16 5.75 7.34 - 50.56  
160450XX99X00X 外傷性血気胸・外傷性気胸 12 7.17 9.07 - 64.25  
161020XXXXX00X 熱中症・偶発性低体温 12 5.92 5.83 - 82.67  
【集計方法と定義】
 ◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
 ◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
 ◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。


【解説】
 救急・集中治療科は、救急外来を受診した患者さんの救急初期診療から緊急手術、集中治療管理までを担当しています。専門医の対応が必要な場合には、各専門科と連携し、その後の診療を専門医が引き継ぐことにより、効率的で質の高い救急医療を提供し、患者さんの救命に貢献しています。
 患者数別にみると、最も多いのは、薬物中毒の患者さんです。自殺目的の意図的な大量内服や有毒動物(ハチなど)との接触などがこれに含まれます。心理的問題を抱えている方が大部分を占めるため、身体的治療と並行して、精神科と連携を取って対応をしています。
 2番目に多いのは、1歳以上の敗血症に対して人工呼吸や中心静脈注射などを行った患者さんです。
 3番目に多いのは、外傷による脳震盪や脳挫傷、くも膜下出血などの患者さんです。
 4番目に多いのは、外傷性血胸や外傷性気胸などの胸部損傷の患者さんです。
 5番目に多いのは、熱中症や偶発性低体温などの体温異常の患者さんです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
 初発再発病期分類
基準(※)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌 -,139 -,25 -,20 -,40 -,- 39 1 7,8
大腸癌 -,72 -,34 -,56 -,71 -,- 38 1 7,8
乳癌 -,56 -,36 -,- -,- -,- - 1 7,8
肺癌 -,-,130 -,-,33 -,-,91 -,-,177 -,-,152 238 1 6,7,8
肝癌 -,-,11 -,-,24 -,-,10 -,-,- -,-,- 79 1 6,7,8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

【集計方法と定義】
 ◇2019年度(H31/R1年)に入院治療を行った、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の5大癌について、初発患者はUICCのTNMから示される病期分類別に、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示しています。
 ◇患者数は延患者数です。例えば、同一患者さんが入退院を繰り返す場合は、繰り返した回数分を集計します。
 ◇TNM分類情報は、一連の治療を決定する際に用いた、術前所見に基づいています。
 ◇各癌それぞれについて、ステージの判定に使用した版数が混在する場合は、カンマ区切りを用いて列記しています。
 ◇TNM分類が不正確等でステージが不明な場合は、「不明」として集計しています。
 ◇患者数10症例未満のステージについては、患者数を非公開としています。

【解説】
 当院はがん診療連携拠点病院の指定をうけており、がんに対し集学的治療を行っております。紹介率の増加やがん検診の促進により、胃癌、乳癌ではステージⅠ(早期がん)の患者さんが多い傾向にあります。大腸癌は早期に発見されるケース(ステージⅠ)と遠隔転移が見つかり当院へ紹介されるケース(ステージⅣ)がほぼ同じ件数となっています。肺癌においてはステージⅣの患者さんが一番多く、遠隔転移が見つかり当院へ紹介されるケースが多い状況です。
 また、肺癌、肝癌では再発した患者さんの割合も多く、継続した治療を行っていることもわかります。なお、肺癌のステージ不明については、癌疑いの検査目的で入院する場合など、判断不可能な件数です。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
 患者数平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 73 13.99 76.12
重症 35 23.37 82.71
超重症 12 16.67 84.25
不明 - - -
【集計方法と定義】
 ◇成人(20歳以上)の市中肺炎について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。
 ◇入院契機傷病名および最も医療資源を投入した傷病名に対するICD10コードがJ13~J18$で始まるものに限定しています。
 ◇重症度分類は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による分類(A-DROP)を用いて、年齢(Age)、脱水(Dehydration)、呼吸(Respiration)、意識障害(Orientation)、収縮期血圧(Pressure)の各項目1点の5点満点により評価します。
  軽症:0点の場合。
  中等症:1~2点の場合。
  重症:3点の場合。
  超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
  不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。
 ◇市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、肺炎レンサ球菌による肺炎、インフルエンザ菌による肺炎、肺炎桿菌による肺炎、ブドウ球菌による肺炎等があります。
 ◇患者数10症例未満の重症度については、各項目を非公開としています。

【解説】
 当院では、中等症の患者さんが一番多く、つづいて重症、超重症となり、平均年齢は重症度があがるにつれ高くなっています。高齢の患者さんは慢性の呼吸器疾患を合併していることも多く、重症化した患者さんに対しては人工呼吸管理下での治療を行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
3日以内 293 24.11 71.32 36.18
その他 20 28.60 67.65 -
【集計方法と定義】
 ◇脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。
 ◇最も医療資源を投入した傷病のICD10がI63$である症例を集計しています。
 ◇発症日から「3日以内」「その他」に分けて集計しています。
 ◇患者数10症例未満については、各項目を非公開としています。
 
【解説】
 栃木県では脳卒中(脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、くも膜下出血)の発症数が多く、当院では脳卒中センターを有し、脳卒中による後遺症を最小限にするため、24時間365日体制で脳卒中と立ち向かっています。
 脳梗塞の治療は、病型(脳梗塞の種類)・部位により点滴や内服による治療薬も再発予防薬も異なり、リハビリ、手術が必要になることもあり、初期の正確な病型分類が治療成績を左右するといわれています。そのため、救命センター・診療部・看護部・放射線科・検査技術部が総力・高度な院内連携システムを構築し、超急性期の先進治療から地域と連携をとりながら社会復帰にいたるまでの包括的な医療を実現しています。
 脳梗塞の患者数より、「発症から3日以内」に入院される患者さんは、全体の93.61%を占めています。後遺症の予防と軽減のためにすぐに治療を開始し、症状が落ち着いた後は、患者さんの状態に合わせて自宅へ退院や回復期リハビリテーション病院へ転院となります。患者さんが安心して退院できるように、入院初期の段階から退院支援を積極的に行っています。転院率は、「発症から3日以内」が36.18%です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
神経内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 10 0.00 42.90 - 73.60  
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- - - - - - -  
- - - - - - -  
- - - - - - -  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇2位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています

【解説】
 神経内科では塞栓性脳梗塞に対し、脳神経外科と連携して治療を行っており、脳神経外科にて脳動脈に詰まった血栓を回収治療後、速やかに神経内科に転科し、急性期薬物療法とリハビリにて再発予防のためのリスク低減を行います。発症後早期に適切な血栓回収術と血栓溶解薬物療法、リハビリを行うことで、在宅復帰が可能になります。
呼吸器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K510-3 気管支鏡下レーザー腫瘍焼灼術 27 1.15 11.67 - 69.59  
- - - - - - -  
- - - - - - -  
- - - - - - -  
- - - - - - -  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇1位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています
【解説】
 呼吸器内科では肺癌による気管支の高度狭窄や完全閉塞の患者さんに対して、気管支鏡下で腫瘍を焼灼します。
消化器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 120 1.03 1.93 - 68.28  
K654 内視鏡的消化管止血術 80 0.98 7.90 - 69.11  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 48 1.00 6.50 - 73.98  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 45 2.60 6.27 - 74.24  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 35 6.37 13.86 - 78.71  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 消化器内科で最も多い手術は、ポリープの大きさが長径2cm未満の内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。内視鏡によって大腸ポリープを切除する治療です。入院当日に手術を行うことが多く、平均術後日数は1.93日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、内視鏡的消化管止血術です。胃や十二指腸などの出血部位を内視鏡で確認し、クリップやレーザーにより止血する治療です。出血性胃潰瘍や出血性十二指腸潰瘍などに対して行いますが、救急患者さんが多く、緊急で入院当日もしくは翌日に手術を行います。そのため、平均術前日数が0.98日となっています。
 3番目に多い手術は、血管塞栓術です。肝細胞癌に対して行う手術で肝動脈化学塞栓療法(TACE)(注1*)という治療法です。入院翌日に手術を行うことが多く、平均術後日数は6.50日となっています。また、高齢の方が多く、平均年齢が73.98歳となっています。
 4番目に多い手術は、内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの)です。内視鏡によって十二指腸乳頭を切開し、胆石や総胆管結石の摘出を行う治療です。
 5番目に多い手術は、内視鏡的胆道ステント留置術です。内視鏡によって十二指腸乳頭を切開し、胆管の狭窄部にステントを留置する治療です。


注1* 肝動脈化学塞栓療法(TACE) 肝癌を栄養している肝動脈にカテーテル入れ、造影剤、抗がん剤、塞栓物質を混ぜたものを注入し、栄養動脈の血流を止め(塞栓)して肝細胞がんを壊死させる治療。
循環器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 304 2.90 2.84 - 70.87  
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 95 0.18 14.05 - 66.39  
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 58 2.00 1.64 - 69.47  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 53 2.75 5.02 - 71.79  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 41 8.68 6.59 - 77.34  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 循環器内科で最も多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの)です。冠動脈硬化症や狭心症に対して、主に待機的に行う治療です。クリニカルパスを適用しているため、平均術前日数が2.90日、平均術後日数が2.84日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの)です。この手術は、急性心筋梗塞に対して行いますが、来院から手術開始(バルーンカテーテルによる再潅流時間(door to balloon time))までの時間が90分以内となっており、患者さんの救命に大きく貢献しています。緊急入院がほとんどであり、入院当日に手術を行うため、平均術前日数は0.18日となっています。
 3番目に多い手術は、経皮的冠動脈形成術(その他のもの)です。冠動脈硬化症や狭心症に対して行います。クリニカルパスを適用しているため、平均術前日数が2.00日、平均術後日数が1.64日と短くなっています。
 4番目に多い手術は、四肢の血管拡張術・血栓除去術です。主に下肢の閉塞性動脈硬化症に対して行います。閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化により血管内腔が狭窄または閉塞して、それより末梢領域に虚血をきたす疾患です。そのため、大腿を穿刺し、カテーテルを用いて狭窄や閉塞部分を貫通し、バルーンカテーテルで拡張します。
 5番目に多い手術は、ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合)です。房室ブロックや洞不全症候群などの不整脈に対して、新規でペースメーカーの植え込む手術です。
血液・リウマチ科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 10 32.20 75.00 - 66.40  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇2位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 血液・リウマチ科で最も多い手術は、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)です。悪性腫瘍の患者さんに対して、注射薬による化学療法(抗がん剤治療)を持続的に注入することを目的として行います。
腎臓内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K610-3 内シャント設置術 83 8.65 14.80 - 67.05  
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 15 3.27 5.87 - 70.40  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 腎臓内科で最も多い手術は、内シャント設置術です。腎臓が機能しなくなると、体内の老廃物を排出できなくなるため、腎機能の回復が見込めない慢性腎不全に対して血液透析を行うため、シャント(動脈と静脈を吻合したもの)を作成します。この手術は、患者さん自身の血管を使用し、作成したものです。予約入院が一般的ですが、腎機能の悪化により救急搬送される患者さんは、状態が落ち着くまで治療を行ったあとシャントを作成することが多いため、平均術前日数が8.65日と長くなります。
 2番目に多い手術は、経皮的シャント拡張術・血栓除去術です。内シャント部分の狭窄や閉塞に対して、シャント部分の拡張や血栓除去を行う治療です。外来で対応できない全身状態不良の患者さんが多く含まれているため、平均術前日数が3.27日となっています。
小児科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 85 0.00 15.85 - 0.00  
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 18 0.00 24.50 - 0.00  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 コードによる集計上、手術に分類されていますが、小児科で最も多い手術は、新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの)です。生まれて間もない新生児は呼吸状態や循環状態が悪くなることがあり、新生児仮死は重要な原因の1つです。呼吸と循環の補助のために行うのが蘇生術になり、口や鼻からの分泌物の吸引、啼泣のための皮膚刺激、酸素投与、気管内挿管が含まれます。新生児仮死の程度についてはApgar Score(注1*)で評価します。
 2番目に多い手術は、新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの)です。仮死第1度より状態が悪く、平均術後日数も24.50日と長くなります。


注1* Apgar Score(アプガースコア)は心拍数、呼吸、筋緊張、反射、皮膚の色について、それぞれ0~2点をつけ、生後1分と5分で判定します。0~10点となり、点数が低い程、悪い状態といえます。第1度仮死は4~6点、第2度仮死は3点以下に相当します。状態に応じて、呼吸と循環の補助のための蘇生術が必要になり、口や鼻からの分泌物の吸引、啼泣のための皮膚刺激、酸素投与、気管内挿管などを行います。
外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆のう摘出術 175 3.38 3.87 - 62.54  
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 144 0.23 2.10 - 71.11  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 80 0.60 3.38 - 32.80  
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 65 1.12 3.80 - 63.42  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 59 1.07 6.44 - 72.61  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 外科で最も多い手術は、腹腔鏡下胆のう摘出術です。胆のう炎や胆のう結石症に対して行う手術で、腹腔鏡により腹腔内を観察しながら、腹壁から腹腔内に挿入した鉗子類を用いて胆のうを摘出します。腹壁破壊が少ないため、術後の疼痛が少なく、入院期間や回復期間も短縮、また美容的にも優れているなどの多くの利点があります。手術後は早めに歩行や経口摂取を開始するため、平均術後日数は3.87日となっています。
 2番目に多い手術は、ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)です。クリニカルパスを適用しているため、入院当日に手術を行い、平均術後日数は2.10日と短くなっています。
 3番目に多い手術は、腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)です。腹腔鏡下のため、平均術後日数は3.38日と短くなっています。
 4番目に多い手術は、乳癌に対して行う、乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの))です。クリニカルパスを適用しているため、入院翌日に手術を行い、平均術後日数は3.80日と短くなっています。
 5番目に多い手術は、内視鏡的胃・十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術)です。早期胃癌に対して行う手術で、病変部の粘膜下層を剥離することで、より正確な範囲で病変を完全に切除します。術後は出血や穿孔の危険があり、その施行には多くの経験と高度な技術を必要とします。
呼吸器外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 82 1.09 5.23 - 71.37  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 35 1.29 4.03 - 69.29  
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 23 6.04 2.74 - 34.22  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 18 1.39 4.89 - 73.11  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇5位のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 呼吸器外科で最も多い手術は、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)です。
 2番目に多い手術は、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)です。いずれも肺癌に対して行う手術です。
 3番目に多い手術は、胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術)(楔状部分切除によるもの)です。自然気胸に対して行う手術です。若年男性に突発的に発症することが多く、平均年齢は34.22歳となっています。患者さんの状態により治療が異なりますが、一般的には、最初に胸腔ドレナージ(胸腔内の空気を体外に排出)治療を行い、ドレナージが不十分な場合に手術となることが多いため、平均術前日数が6.04日と長くなっています。
 4番目に多い手術は、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)です。
 当院では胸腔鏡下での手術を積極的行っています。呼吸機能の温存ができ、高齢や合併症をもつ患者さんには非常に利点あります。患者さんへの負担が少ない一方、医療者にとっては視野が狭い上に突発的な出血など臨機応変な対応が難しいため、高い技術を必要とします。
 クリニカルパスを適用しているため、平均術後日数は最も多い手術で5.23日、2番目に多い手術では4.03日、3番目に多い手術では2.74日と非常に短くなっています。
整形外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 137 2.55 17.42 13.14 67.61  
K0461 骨折観血的手術 上腕、大腿 86 1.59 16.31 59.30 65.97  
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 69 2.65 10.19 20.29 57.41  
K1425 椎弓切除術 62 3.13 14.85 - 69.68  
K1423 脊椎固定術(後方椎体固定) 51 2.69 16.80 - 67.33  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。

【解説】
 整形外科で最も多い手術は、人工関節置換術(肩、股、膝)です。当院は人工関節センターを設置しているため、人工関節置換術を積極的に行っています。その中でも、変形性股関節症や大腿骨頭壊死に対して行う、股関節の置換術が最も多くなっています。
 2番目に多い手術は、骨折観血的手術(上腕、大腿)です。救命救急センターを併設しているため、交通事故や転倒による骨折が多く、専門の医師が診療しています。その中でも、大腿骨骨折が最も多くなっています。併存症のある患者さんが多いため、術前の他科依頼を要します。そのため、手術日までの期間が、平均術前日数は1.59日となっています。また、当院は地域の病院と連携し、継続してリハビリを行うことが出来るため、転院率は59.30%となっています。
 3番目に多い手術は、骨折観血的手術(前腕、下腿)です。前腕(橈骨、尺骨)や下腿(脛骨、腓骨)の骨折に対して、プレートやねじ、鋼線などを用いて骨折部分を固定します。
 4番目に多い手術は、椎弓切除術です。腰部脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症の患者さんに対して行う手術です。脊椎・脊髄外科の専門医が診療しています。
 5番目に多い手術は、脊椎固定術(後方椎体固定)です。主に腰部変形性脊椎症に対して行います。
形成外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、大腿、下腿、躯幹 15 0.73 2.33 - 54.53  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇2位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 形成外科で最も多い手術は、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、大腿、下腿、躯幹)です。四肢や躯幹(背部など)の良性軟部腫瘍(脂肪腫など)に対して行います。
脳神経外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 33 0.48 12.52 - 77.76  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 30 0.73 41.83 53.33 65.27  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 22 3.36 26.18 - 57.91  
K1781 脳血管内手術(1箇所) 13 3.15 21.08 - 64.00  
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの) 11 6.64 52.36 - 69.45  
集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。

【解説】
 脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫に対して行う手術です。運動麻痺や認知障害などの症状、頭部外傷などで発見されることがあり、脳の萎縮がみられる高齢者に多く、平均年齢は77.76歳となっています。また、診断後に緊急手術が必要な場合が多く、平均術前日数は0.48日となっています。手術後は早期から症状が回復できるので、平均術後在院日数は12.52日と比較的短期間で退院となっています。
 2番目に多い手術は、脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)です。脳動脈瘤に対して行うもっとも一般的な手術です。未破裂の脳動脈瘤に対して行う場合と、破裂の脳動脈瘤に対して行う場合があります。平均在院日数は未破裂と破裂では異なりますが、この手術に対する平均術後日数は41.83日となっています。
 3番目に多い手術は、頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの)です。脳腫瘍に対して行う手術です。脳の機能に影響が大きい部位の腫瘍や大きな腫瘍を摘出する場合は、非常に高い技術が求められます。
 4番目に多い手術は、脳血管内手術(1箇所)です。脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの血管異常に対して、脳血管内にカテーテルを入れ、その凝固を目的にプラチナコイルを挿入します。
 5番目に多い手術は、頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの)です。硬膜下の血腫を開頭して除去する手術です。
心臓血管外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 70 3.66 15.21 - 68.50  
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 68 4.19 9.94 - 73.79  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 49 1.51 4.08 - 73.86  
K5603ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)
(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの)
39 5.03 29.21 38.46 69.15  
K597-2 ペースメーカー交換術 27 0.81 1.07 - 79.15  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 心臓血管外科で最も多い手術は、胸部大動脈瘤、解離性胸部大動脈瘤に対して行うステントグラフト内挿術です。ものとなっています。
 2番目に多い手術は、腹部大動脈瘤や腹部大動脈瘤破裂に対して行うステントグラフト内挿術です。
 ステントグラフト手術は、経カテーテル的に人工血管を留置し、血管を内側から補強することで動脈瘤の破裂を防ぎます。高齢者や高血圧、冠動脈疾患などの合併症を持つ患者さんにとって、開胸・開腹手術は負担が大きく危険を伴うため、患者さんへの負担が少ないステントグラフト手術が注目されています。高齢者でも手術が行えるため、平均年齢が胸部大動脈では68.50歳、腹部大動脈では73.79歳と高くなっています。
 3番目に多い手術は、血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの)です。主に、腸骨動脈瘤に対して行います。
 4番目に多い手術は、大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの)です。主に大動脈解離や解離性大動脈瘤に対して行います。この手術は、人工心肺を用いて体外循環を行い、体温を20度以下に下げた状態で一時的に全身の循環を停止し、上行大動脈及び弓部大動脈を人工血管で置換し、弓部大動脈を切除します。
 5番目に多い手術は、ペースメーカー交換術です。バッテリーの消耗や電気回路の故障に対して行う手術です。
耳鼻咽喉科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 48 1.00 5.06 - 29.13  
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 37 1.57 5.81 - 55.59  
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 36 0.17 4.81 - 36.14  
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 24 1.04 4.88 - 47.17  
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 20 1.00 5.25 - 52.15  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 耳鼻咽喉科で最も多い手術は、口蓋扁桃手術(摘出)です。急性扁桃炎を繰り返す慢性扁桃炎や扁桃肥大による嚥下障害・呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群など)に対して行う手術です。比較的に若い年齢の患者さんが多く、平均年齢は29.13歳となっています。また、クリニカルパスを適用しているため、平均術後日数が5.06日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、甲状腺悪性腫瘍手術(切除)です。甲状腺癌に対して行い、腫瘍を含め周囲の甲状腺を切除する程度から、片葉切除まで行う場合があります。
 3番目に多い手術は、扁桃周囲膿瘍切開術です。入院当日に行うことが多いです。
 4番目に多い手術は、鼓室形成手術(耳小骨再建術)です。真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎などに対して行います。真珠腫性中耳炎は耳小骨の一部が欠損していたり、真珠腫を完全に摘出するために耳小骨の合併切除が必要なことがあるため、聴力を改善するために耳小骨再建術が行われます。
 5番目に多い手術は、内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)です。慢性副鼻腔炎に対する手術です。副鼻腔の病変の広がりによりⅡ~Ⅳ型にわけられ、Ⅲ型は上顎洞と篩骨洞など複数の副鼻腔の手術が必要な場合になります。
産婦人科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 200 3.24 5.97 - 33.93  
K877 子宮全摘術 138 1.22 6.33 - 50.12  
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 125 2.96 6.50 - 33.02  
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 71 1.04 3.99 - 44.18  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 54 0.94 1.00 - 42.15  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 産婦人科で最も多い手術は、選択的帝王切開術です。帝王切開術は、子宮を切開して胎児を娩出させる手術で、骨盤位(逆子)や既往帝王切開後妊娠(以前に帝王切開をしたことがある)に対して、事前に手術日を決めて選択的に行います。
 2番目に多い手術は、子宮全摘術です。子宮筋腫や子宮癌、子宮頸部異形成などに対して行う手術です。
 3番目に多い手術は、緊急帝王切開術です。胎児機能不全(胎児仮死)や胎児回旋異常、前期破水など分娩時の合併症に対して、緊急的に行います。最近では、ハイリスク妊娠が増えたこと、児に対してより安全性を求めるようになったこと、日本においても訴訟が増えていることなどから、徐々に増加傾向にあります。
 4番目に多い手術は、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの)です。卵巣のう腫に対して行う手術です。
 5番目に多い手術は、子宮頸部(腟部)切除術です。主に、子宮頸部上皮内癌(初期の子宮癌)や子宮頸部異形成(前癌病変)に対して行う手術です。
眼科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 675 1.00 1.02 - 74.90  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 86 0.94 5.40 - 66.90  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 14 0.93 4.86 - 75.29  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇4位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 主要手術別患者数でみると、最も多いのは水晶体再建術(眼内レンズ挿入)です。一般的な白内障に対して行う手術です。当院では片眼ずつ行っており、手術前日に入院、手術翌日に退院となり、在院日数は3日です。
 2番目に多いのは、硝子体茎顕微鏡下璃断術(網膜付着組織を含む)です。網膜前膜、黄斑円孔、増殖性糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、裂孔原性網膜剥離等に対して行う手術です。
 3番目に多いのは、硝子体茎顕微鏡下璃断術(その他)です。硝子体出血や硝子体混濁等に対して行っています。
泌尿器科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 148 1.48 2.72 - 72.94  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 100 0.12 3.49 - 67.87  
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 96 2.25 2.96 - 60.23  
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 44 1.70 10.23 - 69.41  
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 32 2.03 10.59 - 68.00  
【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 泌尿器科で最も多い手術は、膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの)です。早期に内視鏡で発見された、浸潤性でない膀胱癌に対して行う手術です。内視鏡的に経尿道的切除術を行うため、平均術後日数は2.72日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、経尿道的尿管ステント留置術です。尿管狭窄や水腎症、急性腎盂腎炎などに対して行う手術です。経尿道的にカテーテルを留置し、尿の停滞を解除します。また、尿管狭窄に対しては、経尿道的にバルーンで拡張します。緊急入院で入院当日に手術を行う場合が多く、平均術前日数は0.12日となっています。また、経尿道的な手術のため、平均術後日数は3.49日と短くなっています。
 3番目に多い手術は、経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)です。腎結石症や尿管結石症に対して行う手術です。経尿道的に内視鏡を挿入し、超音波やレーザーなどで結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテル等を用いて摘出します。クリニカルパスを適用しているため、平均術後日数は2.96日と短くなっています。
 4番目に多い手術は、腎(尿管)悪性腫瘍手術です。腎癌や尿管癌に対して行う手術です。
 5番目に多い手術は、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)です。前立腺癌に対して手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いて行います。
救急・集中治療科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 14 0.36 22.93 - 69.64  
K386 気管切開術 12 12.75 32.83 - 70.75  
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【集計方法と定義】
 ◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
 ◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
 ◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
 ◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。

【解説】
 救急・集中治療科で最も多い手術は、血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術)です。外傷により損傷した血管からの出血を止めるために行います。診断後に緊急手術が必要な場合が多く、平均術前日数は0.36日となっています。
 2番目に多い手術は、気管切開術です。呼吸困難や喀痰排出困難に対し、前頚部を切開して、気管カニューレを挿入し気道を確保する手術です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一 - -
異なる - -
180010敗血症同一 81 0.50
異なる 44 0.27
180035その他の真菌感染症同一 - -
異なる - -
180040手術・処置等の合併症同一 40 0.25
異なる - -
【集計方法】
 ◇医療資源最傷病名が播種性血管内凝固(DIC)、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数を集計しています。
 ◇発生率は各症例数の全退院患者数に対する割合を示しています。
 ◇「同一性の有無」とは、各医療資源最傷病の症例(DPC6桁レベル)について、入院契機傷病名に対するICD10コードが、医療資源最傷病名に対応するICDコードに該当している場合は「同一」となります。
 ◇患者数が10症例未満については、各項目を非公開としています。
  
【解説】
 敗血症は、感染に起因した全身性炎症反応症候群(SIRS)であり、血液培養を含む各種培養検査を施行し、原因菌確認と原発感染巣の確認を行う必要があります。原因菌には、肺炎球菌や溶連菌、MRSAなどがあります。多臓器不全の症状(敗血症性ショック)が出現することもあり、厳密な循環管理や、必要に応じて昇圧剤の投与を行う場合もあります。
 入院時より発症している「入院契機と同一」の患者さんが多く、発生率は0.50%です。敗血症性ショックを起こしている重症な患者さんも多く、ガンマグロブリン投与や人工呼吸器管理を行います。また「入院契機と異なる」患者さんの発生率は0.27%です。手術後などの合併症として発症する場合があり、多数の傷病を持っている患者さんは重症化することもありますが、発症した場合は各専門科と連携をとり集中的な治療を行っています。また、当院では救命救急センターを併設しているため、他の病院から重症な患者さんを紹介されることも多くあります。
 手術・処置等の合併症では、CT撮影時の造影剤によりショックをおこした患者さんや、がん治療の抗がん剤によるアレルギー症状をおこした患者さん、植込型中心静脈カテーテルの感染をおこした患者さんなどです。そのため「入院契機と同一」になり、発生率は0.25%です。
更新履歴
2020/09/28
「病院指標」を公開しました。