令和5年度 社会福祉法人恩賜財団済生会支部 栃木県済生会宇都宮 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

病院指標

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数 1,685 324 399 757 1,040 1,449 2,397 4,472 2,531 406
【集計方法と定義】
◇2023年度(R5年)に退院された患者さんの年齢を、階級別(10歳刻み)に集計しています。
◇年齢は入院時の満年齢です。
◇入院後24時間以内に死亡された患者さん、交通事故等による保険外診療(自費)の患者さん、緩和ケア病棟のみ入院された患者さんは集計対象外としています。

【解説】
 当院は母子医療センターおよびバースセンターの運営など、産科、小児科の診療も行っている関係から、新生児からご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいております。
 10歳刻みの年齢階級別にみると、60歳以上の割合が全体の63.43%と半数以上を占め、その中でも比較的ご高齢の70歳以上が47.92%を占めています。50歳代以下では、10歳未満が全体の10.90%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110310XX99XXXX 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 33 11.73 13.52 73.15  
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 19 18.95 20.60 79.37  
180010X0XXX0XX 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし  18 20.56 20.03 78.28  
080010XXXX0XXX 蜂窩織炎(蜂巣炎) 手術・処置等1 なし 13 15.08 12.88 78.54  
030250XX991XXX 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィーあり 13 2.00 2.03 63.69  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 内科は、さまざまな専門診療科と緊密な連携を取りながら診療にあたっています。
 当科で最も多かったのは尿路感染症でした。平均年齢が70歳を超えている事からも分かるように、高齢化が進んでいることが背景としてあります。男性であれば、前立腺による排尿障害が顕著になったり、女性でも日常活動が低下し、腹圧がかかりにくくなることなどで誘発されやすい状態になっていると思われます。また、基礎疾患に糖尿病などがあれば、さらに”易感染性”といって、バイ菌に負けやすい傾向も顕著になります。男女ともに、活動性の低下がきっかけとなり発症することが多いため、環境面での配慮も必要になる事が多く、メディカルソーシャルワーカーと連携して対応しています。
 2番目に多いのは、誤嚥性肺炎です。肺炎は、呼吸器内科とも連携しながら治療にあたっておりますが、敗血症性のショックや他の重複疾患など全身管理が必要になる場合など、救急・集中治療科と協力して診療にあたっています。特に高齢者は、単一疾患だけではなく、免疫機能が低下している場合などは、一気に重症化することもあり、いわゆる全身管理が必要になる場合も多く見られます。高齢者が多く、基礎疾患も多岐にわたっているため、当科で担当させていただき、各専門家の意見を集約して対応しています。
 3番目に多いのは、敗血症です。細菌の侵入門戸は、尿路、腸管など多岐にわたります。ショック症状をきたすこともあり、3階西病棟(救急病棟)のハイケアユニットをベースに、循環管理も行っています。
 4番目に多いのは、蜂窩織炎(蜂巣炎)です。下肢などの皮膚及び皮下脂肪の細菌感染であり、これまでの手術などで、浮腫が残っていて起こしやすい方もいます。また、糖尿病による神経障害で、痛みという症状が出ないままに、ショック状態で救急搬送される方も少なくありません。蜂窩織炎の範疇を超えて、壊死を起こしたり、筋膜への波及も疑われる症例もあり、整形外科や救急・集中治療科と一緒に取り組むこともあります。
 5番目に多いのは、睡眠時無呼吸症候群に対して終夜睡眠ポリグラフィー検査を実施したものでした。終夜睡眠ポリグラフィー検査は睡眠中の脳波や呼吸状態などを調べる検査です。入院は1泊2日となっています。
循環器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
050050XX0200XX 狭心症 経皮的冠動脈形成術等あり 395 4.70 4.26 - 71.01  
050030XX97000X 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等あり  172 10.89 11.54 - 68.06  
050050XX9910X0 狭心症 心臓カテーテル検査等あり 転院(他院から)による入院以外 169 3.23 3.05 - 70.28  
050050XX9920X0 狭心症 心臓カテーテル検査+血管内超音波検査等あり 転院(他院から)による入院以外 161 3.21 3.25 - 72.28  
050130XX9900X0 心不全 手術なし 他院からの転院以外 110 13.99 17.38 - 78.84  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 循環器内科は虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、弁膜症、肺塞栓症、下肢動脈硬化症、不整脈、先天性心疾患などすべての循環器疾患に対して質の高い医療を提供できる診療体制を整えています。とくに心臓救急疾患については、当院が宇都宮医療圏唯一の救命救急センターであることから、常に迅速で高度な医療が実践できるようスタッフ一同24時間体制で努力を続けています。
 患者数別にみると、最も多いのは、狭心症に対してカテーテルを使用し冠動脈の狭窄や閉塞部分の治療を行う患者さんです。予約入院で待機的に治療を行うだけでなく、救急救命センターを併設しているため、緊急カテーテル治療にも対応しています。平均在院日数は4.70日と短くなっています。
 2番目に多いのは、急性心筋梗塞に対し心臓カテーテルを使用し冠動脈の狭窄や閉塞部分の治療を行う患者さんです。発症から数時間以内の超急性期の場合は、梗塞領域の縮小を目的にカテーテル手術を行います。当院では来院時(救急外来)より90分以内にカテーテル手術を実施できるよう24時間体制をとっています。
 3番目に多いのは、狭心症に対して冠動脈の狭窄や閉塞部分の状態を確認するため、心臓カテーテル検査のみを行う患者さんです。
 4番目に多いのは、3番目に多い狭心症の患者さんと同様ですが、心臓カテーテル検査と血管内超音波検査等を併用して行う患者さんです。中等度の冠動脈狭窄は、薬による治療が望ましい場合があるため、症例ごとにカテーテル治療の適応を厳格に検討しております。
 5番目に多いのは、心不全の患者さんです。平均年齢は78.84歳となっています。高齢者や心臓弁膜症などの基礎疾患を持っている患者さんなど重症例にも対応できるよう、集中治療室での全身管理も行っております。
血液・リウマチ科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
130030XX99X4XX 非ホジキンリンパ腫 化学療法(リツキシマブ)あり 78 9.46 9.62 - 67.73  
130030XX99X9XX 非ホジキンリンパ腫 化学療法(ポラツズマブ ベトチン)あり 27 7.85 12.88 - 77.59  
130030XX97X50X 非ホジキンリンパ腫 手術・輸血あり 化学療法(リツキシマブ+フィルグラスチム)あり 15 56.40 29.83 - 54.20  
130030XX99X6XX 非ホジキンリンパ腫 化学療法(ベンダムスチン塩酸塩)あり 14 8.79 13.10 - 63.57  
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫 化学療法(ダラツムマブ)あり 10 12.20 16.12 - 72.50  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇患者数10症例未満のDPCコードについては、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 血液・リウマチ科は、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの造血器腫瘍、再生不良性貧血・骨髄異形成症候群・鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・溶血性貧血などの各種貧血症、特発性血小板減少性紫斑病・血友病などの出血性疾患を主体とする血液疾患全般を診療対象としています。
患者数別にみると、最も多いのは、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)に対してリツキシマブ(リツキサン)という注射薬で化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。非ホジキンリンパ腫は、リンパ節、脾臓、胸腺、扁桃などを含むリンパ組織、消化管、肝、甲状腺その他あらゆる臓器にも腫瘤を形成します。タイプおよび病期により治療法が異なり、化学療法が治療の主体となります。
 2番目に多いのは、非ホジキンリンパ腫に対して、ポラツズマブ ベトチン(ポライビー)による化学療法を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、非ホジキンリンパ腫に対して、輸血と、リツキシマブ(リツキサン)による化学療法と、化学療法による好中球減少症に対してフィルグラスチムを行う患者さんです。
 4番目に多いのは、非ホジキンリンパ腫に対して、ベンダムスチン塩酸塩(トレアキシン)による化学療法を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、多発性骨髄腫に対して、ダラツムマブ(ダラキューロ)化学療法を行う患者さんです。
消化器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060100XX01XXXX 大腸腺腫 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 103 2.91 2.61 - 66.64  
060340XX03X00X 胆管結石、胆管炎 内視鏡的乳頭切開術等あり 62 10.68 8.75 - 76.19  
060102XX99XXXX 大腸憩室炎、大腸憩室出血(穿孔又は膿瘍を伴わない) 57 7.98 7.58 - 68.44  
060140XX97X0XX 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 内視鏡的消化管止血術等あり 45 12.44 10.92 - 71.47  
060050XX97X0XX 肝細胞癌・胆管細胞癌 肝動脈化学塞栓療法あり   44 9.95 10.24 - 74.32  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。

【解説】
 消化器内科は消化器全般にわたり診断治療を行っています。患者数別にみると、最も多いのは、大腸腺腫やポリープなどの良性腫瘍に対して内視鏡で切除を行う患者さんです。入院当日もしくは入院翌日に手術を行い、手術翌日に退院となることが多く、平均在院日数は2.91日と短くなっています。
 2番目に多いのは、総胆管結石や胆管炎、胆管狭窄などの胆道疾患に対し、内視鏡を用いて胆道の出口(乳頭部)を切開し結石を除去したり、胆管ステント留置を行う患者さんです。総胆管結石は通常無症状ですが、大きな結石が嵌頓した場合は、閉塞性黄疸などの症状が出現します。胆管炎を伴うと発熱もみられ、急性閉塞性化膿性胆管炎を起こすと敗血症からショックに至ることもあり、生命にかかわることもあります。
 3番目に多いのは、大腸憩室炎や大腸憩室出血の患者さんです。糞便が憩室内に停滞し、急性憩室炎を起こすと、腹痛を訴え、発熱などもきたします。初期治療は抗生物質療法が基本ですが、穿孔や腹膜炎、大量出血などを起こした場合は、外科的な腸切除が必要となることもあります。
 4番目に多いのは、出血を伴う胃潰瘍や十二指腸潰瘍に対して内視鏡的消化管止血術や血管塞栓術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、肝細胞癌に対し、肝動脈化学塞栓療法を行う患者さんです。ほとんどの肝細胞癌で適応となることからも、最も高頻度に施行される肝癌治療法といえます。
呼吸器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040XX99200X 肺癌 気管支生検等あり 206 3.18 2.98 - 74.12  
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 167 15.52 18.65 7.78% 74.29  
040040XX99040X 肺癌 化学療法あり 73 7.74 8.33 - 71.70  
040110XXXXX1XX 間質性肺炎 ニンテダニブエタンスホン酸塩あり 31 19.32 20.39 - 73.23  
040040XX99100X 肺癌 気管支鏡あり 30 2.03 3.01 - 72.57  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 呼吸器内科は呼吸器全般にわたる診療を行っています。救急救命センターを併設しているため、緊急性のある患者さんを積極的に受け入れています。特に入院を要する急性呼吸不全、重症の肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患および肺癌の診断・治療に重点を置いています。
 患者数別にみると、最も多いのは、肺癌(疑いも含む)に対して、気管支鏡等による生検を行う患者さんです。検査入院のため、平均在院日数は3.18日と短くなっています。
 2番目に多いのは、間質性肺炎の患者さんです。薬剤性、放射線性、膠原病性など原因が明らかな場合もあれば、原因不明の場合もあります。感染等をきっかけとして急速に呼吸不全をきたすこともあります。 
 3番目に多いのは、肺癌に対して化学療法(抗がん剤治療)を行う患者さんです。化学療法は外来でも行いますが、抗がん剤の種類や患者さんの状態に応じて入院で行っています。
 4番目に多いのは、間質性肺炎に対して薬物療法を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、肺癌(疑いも含む)に対して、気管支鏡下で観察を行う患者さんです。検査入院のため、平均在院日数は2.03日と短くなっています。
 肺癌は現在癌死亡順位のトップとなっており、患者さんの数も増加しています。抗がん剤の種類も近年増加し、患者さんの病期に応じて化学療法を中心とした治療を行っています。
脳神経内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
010060X2990301 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内かつJCS10未満)SPECTあり 発症前RankinScale0,1又は2  56 19.43 18.06 28.57% 70.21  
010040X099000X 脳出血(JCS10未満) 手術なし   31 25.00 19.09 61.29% 65.39  
010040X199X0XX 脳出血(JCS10以上) 手術なし  27 19.00 22.61 55.56% 75.85  
010230XX99X20X てんかん SPECTあり  17 19.06 14.63 - 72.65  
010160XX99X00X パーキンソン病 手術なし 16 24.50 18.24 - 68.38  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。
 
【解説】
 神経内科は神経疾患全般を対象としています。急性期疾患として脳卒中・てんかん重積・神経感染症を扱い、亜急性から慢性疾患として、重症筋無力症・多発性硬化症・神経変性疾患(パーキンソン病・脊髄小脳変性症)・認知症疾患など満遍なく診療しています。また栃木県では脳卒中の発症数が多く、当院は脳卒中(脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、くも膜下出血)の診断、治療に特に力を注いでおり、24時間365日血栓溶解療法(t-PAの投与)の体制がとられています。
 患者数別にみると、最も多いのは、JCS10(注1*)未満かつRS(注2*)0、1および2の発症から3日目以内の脳梗塞に対してSPECT(単一光子放射線型コンピューター断層撮影)装置を使用し適切に脳梗塞治療を行う患者さんです。脳梗塞は、血栓性、塞栓性、血行力学性があり、発症後の時間経過により、治療法は異なります。
 2番目に多いのは、JCS10未満の脳出血の患者さんです。脳出血の原因には、高血圧性や外傷、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破裂などがあります。高血圧性によるものが60%を占めています。症状は出血部位によりことなりますが、一般的には頭痛、嘔吐、気分不快などを訴え、半身の運動麻痺や感覚障害、言語障害、失語症などをきたします。重症の場合には、意識状態が急速に悪化し、救命が困難になることもあります。脳梗塞と同様に後遺症を少なくするため、すぐに適切な高圧治療を開始しますが、麻痺などの重篤な神経症状が残る場合も多く、退院後も継続してリハビリをする必要があります。そのため転院率も61.29%と高くなっています。
 3番目に多いのは、JCS10以上の脳出血の患者さんです。
 4番目に多いのは、てんかんで入院し、SPECT(単一光子放射線型コンピューター断層撮影)装置を使用した患者さんです。特に脳腫瘍や脳卒中などの脳疾患が原因となり生じる症候性てんかんが半数を占めます。
 5番目に多いのは、パーキンソン病の患者さんです。
 また、当院では筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんに対し、HAL(Hybrid Assistive Limb)という歩行介助ロボットを使用してのリハビリテーションを組み合わせた治療を行っています。HAL(Hybrid Assistive Limb)による歩行リハビリテーションを導入している医療機関はまだ少なく、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の他、筋ジストロフィー、球脊髄性筋萎縮症、シャルコー・マリー・トゥース病、封入体筋炎など8疾患に対して適応となっています。

注1* JCS(Japan Coma Scale:意識障害のレベル)  ※0:意識障害なし
    ■Ⅲ群:刺激しても覚醒しない
      300:まったく動かない
      200:手足を少し動かしたり顔をしかめたりする(除脳硬直を含む)
      100:払いのける動作をする
    ■Ⅱ群:刺激すると覚醒する
      30:かろうじて開眼する
      20:痛み刺激で開眼する
      10:呼びかけで容易に開眼する
    ■Ⅰ群:覚醒している
      3:名前、生年月日が言えない
      2:見当識障害あり
      1:清明とはいえない

注2* RS(Rankin Scale)   ※発症前RSは、発症前おおむね1週間のADLを推定しています。
    0:まったく症候がない
    1:明らかな障害はない/日常の勤めや活動は行える
    2:軽度の障害/自分の身の周りのことは介助なしで行える
    3:中等度の障害/何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
    4:中等度から重度の障害/歩行や身体的要求には介助が必要である
    5:重度の障害/寝たきり、失禁状態、常に介助と見守りを必要とする
    6:死亡
腎臓内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110280XX9901XX 慢性腎不全 血液透析あり 62 13.21 13.81 - 71.11  
110260XX99X0XX ネフローゼ症候群 手術なし  26 32.04 19.94 - 59.27  
110280XX02X1XX 慢性腎不全 内シャント設置術等あり 血液透析あり 18 47.72 34.07 - 62.39  
110280XX991XXX 慢性腎不全 腎生検あり  17 6.41 6.44 - 49.82  
110280XX97X1XX 慢性腎不全 その他の手術・輸血等あり 血液透析あり 15 34.73 24.61 - 80.40  
集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 腎臓内科は慢性腎臓疾患(CKD)や急性腎障害(AKI)、および様々な水分・電解質異常の診断、治療を行っています。高齢化社会に伴い、腎臓病を発症する方が増加しており、当科を受診する患者さんも増えております。
 患者数別にみると、最も多いのは、慢性腎不全に対して血液透析導入を行う患者さんです。慢性腎不全の増悪や尿毒症、肺水腫、急性呼吸不全などの合併症をおこし緊急入院する場合が多いです。
 2番目に多いのは、ネフローゼ症候群に対し薬物療法などの治療を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、慢性腎不全に対して、内シャント設置術と血液透析を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、腎不全や慢性腎炎に対して、経皮的腎生検を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、慢性腎不全に対して、輸血等と血液透析を行う患者さんです。
 慢性腎不全は、何らかの原因で腎機能が障害され、体液の恒常性が維持できなくなった状態が長期間かけ進行したものです。できる限り腎機能低下を止めるように管理するべきであり、食事療法など合併症予防のための教育が必要となります。進行した場合は、血液浄化療法(血液透析など)が必要となります。
糖尿病・内分泌内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
10007XXXXXX1XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) インスリン療法あり 35 13.86 13.99 - 60.71  
100180XX991XXX 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 副腎静脈サンプリング等あり 15 3.27 3.80 - 53.67  
10007XXXXXX0XX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)  15 9.93 10.66 - 63.60  
100250XX99X21X 下垂体機能低下症 手術なし 下垂体前葉負荷試験2種類以上 脂質異常症等あり  12 5.42 7.56 - 67.67  
100040XXXXX00X 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡  11 16.36 13.15 - 58.82  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 糖尿病・内分泌内科は糖尿病・脂質異常症などの代謝疾患、甲状腺疾患や脳下垂体・副腎疾患などの内分泌疾患を診療の対象としています。
 患者数別にみると、最も多いのは、2型糖尿病に対してインスリン製剤の注射薬を用いて教育入院を行う患者さんです。インスリン自己注射手技の指導、栄養指導、運動指導を中心に糖尿病の理解を深めていただくと共に血糖コントロールの改善を図ります。
 2番目に多いのは、クッシング症候群や原発性アルドステロン症など、副腎皮質機能亢進症に対して精密検査(副腎静脈サンプリング等)や治療を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、2型糖尿病に対して教育入院を行う患者さんです。栄養指導、運動指導を中心に糖尿病の理解を深めていただくと共に血糖コントロールの改善を図ります。
 4番目に多いのは、下垂体機能低下症に対して精密検査(負荷試験等)を行う患者さんで、脂質異常症等の基礎疾患のある患者さんです。
 5番目に多いのは、糖尿病性ケトアシドーシスの患者さんです。
外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術あり 199 4.09 4.55 - 68.70  
060335XX02000X 胆のう炎・胆のうポリープ等 腹腔鏡下胆のう摘出術等あり  108 5.72 6.87 - 59.37  
090010XX010XXX 乳癌 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの)等あり 81 9.16 9.88 - 65.26  
060035XX010X0X 結腸癌・虫垂癌 悪性腫瘍切除術等  68 13.43 15.12 - 71.87  
060020XX02XXXX 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 60 15.67 18.01 - 72.00  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満のため、転院率を非公開としています。

【解説】
 一般外科は消化器系と乳腺を含めた疾患の診療をしています。主な疾患は、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆のうなど)の良性および悪性疾患、成人および小児のヘルニアなどです。また、当院はがん診療連携拠点病院でもあり、多くの悪性腫瘍に対する手術および化学療法の先進医療に取り組んでいます。
 患者数別にみると、最も多いのは、15歳以上の鼠径ヘルニアに対してヘルニア手術を行う患者さんです。ヘルニア手術は前方アプローチ法と腹腔鏡下手術を導入しており、平均在院日数は4.09日と短くなっています。
 2番目に多いのは、胆石性胆のう炎や胆のうポリープに対して、腹腔鏡下で胆のう摘出を行う患者さんです。急性胆のう炎も併発した緊急入院にも多数対応しているため、平均在院日数は5.72日となっています。
 3番目に多いのは、乳癌に対して乳腺悪性腫瘍手術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は9.16日と短くなっています。
 4番目に多いのは、結腸癌や虫垂癌に対して、悪性腫瘍切除を行う患者さんです。この手術を当院では8割以上の患者さんが腹腔鏡下にて行っています。
 5番目に多いのは、胃癌に対して悪性腫瘍手術や胃切除術を行う患者さんです。この手術を当院では7割程度の患者さんが腹腔鏡下にて行っています。
呼吸器外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
040040XX97X00X 肺癌 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等あり 96 9.01 9.89 - 71.72  
040040XX99200X 肺癌 気管支生検等あり 28 2.18 2.98 - 71.21  
040010XX99X0XX 縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 13 2.00 6.06 - 67.77  
040200XX99X00X 自然気胸・続発性気胸 手術なし 12 10.33 9.17 - 54.58  
040200XX01X00X 自然気胸・続発性気胸 胸腔鏡下肺切除術等あり  11 6.82 9.54 - 35.91  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 呼吸器外科は、呼吸器内科とともに呼吸器全般にわたる診療を行っています。対象疾患は、肺・気管・気管支の疾患、気胸、縦隔の疾患、胸壁・横隔膜の疾患、胸部外傷です。
患者数別にみると、最も多いのは、肺癌に対して悪性腫瘍切除術を行う患者さんです。小さな傷で手術を行う胸腔鏡下手術または、胸腔鏡補助下手術(VATS)での切除を行っており、肺癌手術症例の9割に達します。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は9.01日と短くなっています。
 2番目に多いのは、肺癌(疑いも含む)に対して確定診断のために気管支鏡等による生検を行う患者さんです。検査入院のため、平均在院日数は2.18日と短くなっています。
 3番目に多いのは、縦隔・胸膜の悪性腫瘍(疑いも含む)に対して治療を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、自然気胸や続発性気胸に対して治療を行う患者さんです。患者さんの病態に応じて、胸腔ドレナージによる脱気(胸腔内の空気を体外に排出する)や胸膜癒着術等を行います。
 5番目に多いのは、4番目に多い自然気胸や続発性気胸に対して胸腔鏡下肺切除術等の手術を行う患者さんです。再発を繰り返す症例や、肺の空気漏れが持続する難治性の症例に対して、肺切除術等を行います。
整形外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
07040XXX01XXXX 股関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等あり 120 14.33 19.55 55.83% 66.43  
160800XX01XXXX 大腿骨近位端骨折 人工骨頭挿入術等あり 79 21.47 25.50 75.95% 78.49  
070230XX01XXXX 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等あり 54 17.80 21.96 70.37% 73.37  
160760XX97XX0X 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 47 5.30 4.76 - 53.43  
070343XX97X0XX 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 30 15.37 15.66 - 72.80  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 整形外科は、骨・関節・筋肉・脊椎脊髄・神経などの運動器の疾患から外傷までを幅広く診療しています。当科の基本方針は安全・確実な治療を行うことであり、その中に最新の知識や技術を導入しています。脊椎・脊髄外科、人工関節手術などの関節外科、上肢の外科、骨折・脱臼などの外傷外科についてはその専門の医師が対応しています。
 患者数別にみると、最も多いのは、変形性股関節症に対して人工関節置換術等を行う患者さんです。他の病院へ転院し継続してリハビリを行う場合が多く、転院率も55.83%となっています。
 2番目に多いのは、大腿骨近位の骨折に対して人工骨頭挿入術や人工関節置換術、髄内釘などを用いて骨折手術を行う患者さんです。大腿骨近位の骨折は転倒によるものが多く、高齢者に多いため平均年齢も78.49歳と高くなっています。そのため、他の病院へ転院し継続してリハビリを行う場合が多く、転院率も75.95%となっています。
 3番目に多いのは、変形性膝関節症に対して人工関節置換術等を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、前腕(橈骨や尺骨)または手関節周辺の骨折に対して骨折観血的手術等を行う患者さんです。手関節周辺の骨折は運動時の転倒や転落によるものが多いのですが、若年層の患者さんが多いため平均年齢も低くなっています。
 5番目に多いのは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症に対して脊椎固定術を行う患者さんです。脊柱管狭窄は、脊柱管に何らかの原因によって狭窄が生じた状態で、神経症状をきたします。最も多い腰部の脊柱管狭窄では、下肢の痛みやしびれが症状として出現します。
脳神経外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
160100XX97X00X 外傷性硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄等あり 35 18.57 9.88 28.57% 75.63  
010030XX9910XX 未破裂脳動脈瘤 血管造影検査あり 27 3.26 2.95 - 61.04  
010030XX01X0XX 未破裂脳動脈瘤 脳動脈瘤頸部クリッピング等あり  14 13.50 14.71 - 62.79  
010040X101X1XX 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術・処置等2 あり - - - - -  
010030XX03X0XX 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし - - - - -  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 脳神経外科は、県内外の大学と積極的に交流してより質の高い医療を目指し、先進治療も積極的に取り入れています。対象疾患は脳腫瘍(髄膜腫、頭蓋底腫瘍、下垂体腫瘍、聴神経腫瘍、神経膠腫など)、脳動脈瘤(くも膜下出血、未破裂動脈瘤)、脳動静脈奇形、頭部外傷、脳梗塞(バイパス手術、頚動脈血栓内膜剥離術など)、機能的疾患(三叉神経痛、顔面けいれん)を含む脳神経外科疾患全般です。また、脳動脈瘤、脳虚血性疾患に対する血管内治療、神経内視鏡などの低侵襲治療に力を入れています。
 患者数別にみると、最も多いのは、外傷性硬膜下血腫(急性または慢性)に対して慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術(注1*)を行う患者さんです。慢性硬膜下血腫は軽度の頭部外傷から3週間以上を経て、硬膜下に徐々に血液が貯留していく疾患で、血腫増大とともに、圧迫症状が出現します。高齢者の転倒による場合が多く、歩行障害や片麻痺、認知症症状などで受診し診断されます。平均年齢からみてもわかるように、75.63歳と高齢になっています。
 2番目に多いのは、未破裂脳動脈瘤に対して血管造影検査を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が3.26日と短くなっています。
 3番目に多いのは、未破裂脳動脈瘤に対して脳動脈瘤頸部クリッピングを行う患者さんです。
 4番目に多いのは、JCS(注2*)10以上の被殻出血等に対して、頭蓋内血腫除去術と人工呼吸や中心静脈注射などを行う患者さんです。退院後も継続してリハビリをする必要があるため、転院される患者さんも多いです。
 5番目に多いのは、未破裂脳動脈瘤に対して脳血管内手術(コイル塞栓術)を行う患者さんです。

注1* 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術  硬膜下血腫に対して頭蓋骨に穴をあけ、血腫を抽出・洗浄し、ドレナージを行う手術
注2* JCS(Japan Coma Scale:意識障害のレベル)  ※0:意識障害なし
    ■Ⅲ群:刺激しても覚醒しない
      300:まったく動かない
      200:手足を少し動かしたり顔をしかめたりする(除脳硬直を含む)
      100:払いのける動作をする
    ■Ⅱ群:刺激すると覚醒する
      30:かろうじて開眼する
      20:痛み刺激で開眼する
      10:呼びかけで容易に開眼する
    ■Ⅰ群:覚醒している
      3:名前、生年月日が言えない
      2:見当識障害あり
      1:清明とはいえない
形成外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
080007XX010XXX 皮膚の良性腫瘍 腫瘍摘出術あり 15 3.40 3.93 - 26.53  
160200XX02000X 顔面骨骨折(眼窩、胸骨、鼻骨等) 眼窩骨折観血的手術等あり 15 3.73 4.63 - 42.27  
070010XX010XXX 骨軟部の良性腫瘍 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等あり 12 4.42 5.14 - 46.58  
080180XX970XXX 母斑、母斑症 皮膚,皮下腫瘍摘出術等あり  - - - - -  
070570XX012XXX 瘢痕拘縮 瘢痕拘縮形成手術あり 皮弁形成術等あり  - - - - -  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇4位以下のDPCコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 形成外科は、外傷(軟部組織損傷、顔面骨骨折、熱傷)、体表の先天性の形態異常(口唇裂、耳介変形、多指症、合指症など)、皮膚・皮下の腫瘍などに対しての診療を行っています。手術の約8割は、外来での局所麻酔手術を行っておりますが、患者さんの状態や手術の内容によっては入院での手術を行っています。
 患者数別にみると、最も多いのは、良性皮膚腫瘍や良性皮下腫瘍(脂肪腫など)に対して切除術を行う患者さんです。平均在院日数は3.40日です。
 2番目に多いのは、眼窩底骨折や頬骨骨折に対して観血的手術を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、肩・背部などの良性軟部腫瘍に対して摘出を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、母斑症に対して手術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、瘢痕拘縮に対して瘢痕拘縮形成術や皮弁形成術を行う患者さんです。
心臓血管外科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
050163XX03X0XX 胸部・腹部大動脈瘤 ステントグラフト内挿術等あり  116 7.49 10.42 - 76.23  
050210XX97000X 房室ブロック、洞不全症候群 ペースメーカー移植術等あり 47 3.38 9.77 - 82.09  
050161XX01X0XX 解離性大動脈瘤 ステントグラフト内挿術等あり 手術・処置等2(人工呼吸・人工透析等)なし  34 9.44 13.08 - 66.15  
050163XX01X1XX 非破裂性胸部大動脈瘤 オープンステントグラフト内挿術等 中心静脈注射・人工呼吸あり 27 27.70 27.58 - 71.15  
050080XX0101XX 弁膜症 弁置換術(胸腔鏡下含む)等 中心静脈・人工呼吸あり  25 17.64 21.52 - 59.68  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。                 ◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。                       

【解説】
 心臓血管外科は、循環器内科・小児科・放射線科との綿密な連携の下、様々な循環器疾患に対する治療を行っています。また、最近では生命を救うことはもちろんのこと、できるだけ患者さんへの負担を少なく、さらに手術後の日常生活をより良いものにすることも目指した手術や治療が行われています。
対象疾患は心臓弁膜症や冠動脈疾患、心房中隔欠損症などの先天性心疾患、急性大動脈解離や胸部大動脈瘤などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、不整脈などの循環器疾患です。
 患者数別にみると、最も多いのは、胸部や腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術(注1* )を行う患者さんです。高齢者や合併症を持つ患者さんにとって負担の少ない手術のため、平均年齢が76.23歳と高くなっています。
 2番目に多いのは、房室ブロックや洞不全症候群などの不整脈に対して、新規でペースメーカーの植え込みまたは交換を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数は3.38日と短くなっています。
 3番目に多いのは、解離性大動脈瘤に対して、ステントグラフト内挿術を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、非破裂性大動脈瘤に対して、大動脈瘤切除術やオープンステントグラフト内挿術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、弁膜症に対して弁置換術や弁形成術を行い、中心静脈注射や人工呼吸器を使用する患者さんです。

注1* ステントグラフト内挿術  大きく皮膚を切開することなく、ステントグラフトを用いた経カテーテル的血管内治療。大腿動脈切開部からガイドワイヤーを使用し、目標の動脈瘤の中枢と末梢側の健常部分にステントグラフトを拡張し留置する治療法。
小児科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
140010X199X1XX 新生児疾患(出生時体重2500g以上) 中心静脈注射等あり 152 7.10 10.34 - 0.00  
150040XXXXX0XX 熱性けいれん 133 4.38 3.56 - 2.53  
040090XXXXXXXX 急性気管支炎、RSウイルス気管支炎 127 5.95 5.96 - 1.83  
010230XX99X00X てんかん 103 4.33 7.19 - 7.63  
040100XXXXX00X 気管支喘息発作、小児喘息様気管支炎 100 6.38 6.37 - 2.50  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。

【解説】
 小児科は先天性心疾患をはじめ、急性期、慢性期を問わず、あらゆる疾患に対し受け入れをしています。NICU(新生児集中治療室)・小児循環器部・産科を統合し、特色のある2次周産期施設として母子医療センターを運営しており、周産期から小児科医が積極的に関与しています。
 患者数別にみると、最も多いのは、出生時体重2500g以上の新生児で、中心静脈注射等を行う患者さんです。新生児黄疸や呼吸障害、哺乳不全などに対応しています。
 2番目に多いのは、熱性けいれんの患者さんです。熱性けいれんは、38°C以上の発熱に伴って起こるけいれん発作で、乳幼児期に生じるため、平均年齢は2.53歳と低くなっています。
 3番目に多いのは、急性気管支炎の患者さんです。その中でも、RSウイルス気管支炎による患者さんが約5割を占めています。
 4番目に多いのは、てんかんの患者さんです。基礎疾患を伴う難治てんかんの患者さんも多く、多剤併用療法行ったり、長時間ビデオ脳波で難しい患者さんの診断を行ったりしています。
 5番目に多いのは、気管支喘息発作や小児喘息様気管支炎の患者さんです。気道(特に気管支)が一時的に狭窄し、咳や呼吸困難を伴うため、緊急入院が大半を占めます。喘息の原因に、アレルギー反応や感冒、インフルエンザ、RSウイルスなどの気道感染が関与します。
産婦人科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
120180XX01XXXX 既往帝王切開後妊娠 骨盤位等 帝王切開術等あり 153 7.93 9.34 33.85  
120060XX01XXXX 子宮筋腫 子宮全摘術等あり 122 7.48 9.23 47.52  
120260X001XXXX 胎児機能不全等の分娩の異常 帝王切開術等あり 90 8.28 9.31 33.49  
12002XXX01X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等あり 65 10.88 10.10 58.82  
120060XX02XXXX 子宮筋腫 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等あり  59 5.66 5.93 45.36  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 産婦人科は、母子医療センターを有し、不妊症から周産期、婦人科悪性腫瘍に至るまで、産婦人科領域のほとんどの疾患を診療しています。また、救命救急センターを併設し、地域の第3次救急の役割を担っているため、救急搬送や他の病院からの紹介患者さんも多く、常時救急に備えた診療体制をとっています。
 患者数別にみると、最も多いのは、既往帝王切開後妊娠(以前に帝王切開をしたことがある)や骨盤位(逆子)に対して帝王切開術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が7.93日と短くなっています。
 2番目に多いのは、子宮筋腫に対して、子宮全摘術や子宮筋腫摘出術を行う患者さんです。子宮筋腫は主に30~40歳代で発症することが多く、手術時の平均年齢は47.52歳となっています。
 3番目に多いのは、胎児機能不全(胎児仮死)や胎児回旋異常、前期破水など分娩時の合併症に対して緊急帝王切開術を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、子宮頸癌に対して子宮頸部切除術等を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、子宮筋腫に対して、腹腔鏡下や子宮鏡下で、子宮全摘術や子宮筋腫摘出術を行う患者さんです。
耳鼻咽喉科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
030150XX97XXXX 耳下腺・鼻腔・咽頭などの良性腫瘍 摘出術あり  67 6.27 6.74 - 56.91  
030230XXXXXXXX 慢性扁桃炎 扁桃摘出術あり     40 6.95 7.53 - 30.13  
100020XX010XXX 甲状腺癌 甲状腺悪性腫瘍手術あり 35 7.71 7.94 - 57.49  
030240XX99XXXX 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 32 5.63 5.51 - 45.03  
030240XX01XX0X 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等あり  31 6.39 7.52 - 42.32  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。

【解説】
 耳鼻咽喉科は、一般には「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」と呼ばれ、頭頸部領域(耳・鼻・口腔・咽喉頭(のど)・唾液腺・頸部・甲状腺)の病気を専門としています。また、地域基幹病院として、精密検査や専門治療が必要な患者さん、主に手術を必要とする患者さんを中心に診療を行っています。
 患者数別にみると、最も多いのは、耳下腺や鼻腔、咽頭などの良性腫瘍に対して腫瘍摘出術を行う患者さんです。
 2番目に多いのは、慢性扁桃炎に対して扁桃摘出術を行う患者さんです。
 3番目に多いのは、甲状腺癌に対して悪性腫瘍手術を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎に対して抗生剤治療を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎に対して扁桃周囲膿瘍切開術を行う患者さんです。
眼科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
020110XX97XXX0 白内障 水晶体再建術等あり 片眼 569 2.82 2.54 - 75.79  
020110XX97XXX1 白内障 水晶体再建術等あり 両眼 37 2.78 4.46 - 69.92  
020180XX97X0X0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼  19 6.32 6.10 - 54.89  
020200XX9710XX 網膜前膜・黄斑円孔 硝子体茎顕微鏡下離断術+水晶体再建術あり 15 6.67 5.67 - 69.60  
020240XX97XXX0 硝子体疾患 手術あり 片眼 - - - - -  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇5位のDPCコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 眼科は、眼科全般にわたる専門知識を有し、さらに最先端機器を導入することにより患者さんの立場に立った医療の提供に努めています。
診断群類別患者数にみると、最も多いのは白内障に対して水晶体再建術を行う患者さんです。当院では全例入院の上、原則として片眼ずつ行っており、クリニカルパスを使用し平均在院日数は2.82日です。
 2番目に多いのは、最も多かった白内障と同様ですが、両眼の手術を行う患者さんです。片眼を手術して退院後、7日以内に再入院をして残りの片眼を手術する場合や、認知症などで全身麻酔下で同日に両眼を手術する場合があります。
 3番目に多いのは、糖尿病性増殖性網膜症に対して手術(硝子体茎顕微鏡下離断術等)を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、網膜前膜・黄斑円孔に対して硝子体茎顕微鏡下離断術+水晶体再建術を行う患者さんです。
 5番目に多いのは、硝子体の出血、混濁などの疾患に対して手術を行う患者さんです。
泌尿器科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110080XX991XXX 前立腺癌 前立腺生検法あり 231 2.80 2.44 - 69.65  
110070XX03X0XX 膀胱癌 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術あり 183 6.57 6.85 - 74.11  
11012XXX02XX0X 尿管結石・腎結石 経尿道的尿路結石除去術あり 125 4.48 5.22 - 61.65  
110080XX01XXXX 前立腺癌 前立腺悪性腫瘍手術等あり 82 10.71 11.19 - 69.88  
110200XX02XXXX 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等あり 50 6.76 7.75 - 72.56  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 泌尿器科は、泌尿器科疾患全般に対して、本邦でもトップクラスの症例数を誇り、最先端の知見と高い技術を持って対応しています。特に癌診療においては低侵襲手術(腹腔鏡手術、ロボット支援手術)・機能温存手術・再建手術から最新の薬物療法まで治療のラインナップを揃え、患者さんに合わせた診療を行っています。 
 患者数別にみると、最も多いのは、前立腺癌や前立腺癌疑いに対して確定診断を得るために、前立腺針生検法を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しており、基本的に入院当日に生検を行い、翌日に退院となります。
 2番目に多いのは、膀胱癌に対して経尿道的膀胱悪性腫瘍手術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が6.57日と短くなっています。
 3番目に多いのは、尿管結石や腎結石に対してレーザーによる経尿道的尿路結石除去術を行う患者さんです。
 4番目に多いのは、前立腺癌に対して前立腺悪性腫瘍摘出術を行う患者さんです。そのうち約8割の患者さんが手術支援ロボット「ダヴィンチ」(注1* )用いた手術を行っています。開腹手術と比較して、傷口が小さいため身体への負担が少ない、入院期間が短い、尿失禁の早期改善などのメリットがあります。
 5番目に多いのは前立腺肥大症に対してレーザーによる経尿道的前立腺手術を行う患者さんです。クリニカルパスを適用しているため、平均在院日数が6.76日と短くなっています。

注1* 手術支援ロボット「ダヴィンチ」  患者さんの体に1~2cmの小さな穴を数か所開け、そこへロボットアームや内視鏡を挿入します。術者は患者さんに触れずに、離れた場所から高画質で立体的な3D画像を見ながら、ハンドルやフットペダルを操作して手術を行います。
救急・集中治療科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
160100XX99X00X 急性硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血 手術なし 47 3.77 8.38 - 38.79  
161070XXXXX00X 薬物中毒 46 4.02 3.62 - 38.76  
161060XX99X0XX アナフィラキシーショック 手術なし 手術・処置等2 なし 28 2.00 2.86 - 49.39  
180010X0XXX3XX 敗血症(1歳以上) 持続緩徐式血液濾過等あり 16 28.19 37.35 - 66.56  
010310XX99X1XX 低酸素脳症 手術なし 人工呼吸等あり   14 11.29 14.31 - 73.14  
【集計方法と定義】
◇各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しています。
◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 救急・集中治療科は、救急外来を受診した患者さんの救急初期診療から緊急手術、集中治療管理までを担当しています。専門医の対応が必要な場合には、各専門科と連携し、その後の診療を専門医が引き継ぐことにより、効率的で質の高い救急医療を提供し、患者さんの救命に貢献しています。また、2020年(R2年)10月よりドクターカーを運行しており、患者さんの搬送に加え、重症外傷に対する手術や心肺停止患者に対する人工心肺(ECMO)の導入など、病院到着前に様々な処置や専門的治療をいち早く開始できるようになりました。
 患者数別にみると、最も多いのは、外傷による急性硬膜下血腫や脳震盪、くも膜下出血などの患者さんです。軽症では経過観察入院が多いため、平均在院日数も3.77日と短くなっています。
 2番目に多いのは、薬物中毒の患者さんです。睡眠薬等の意図的な大量内服や有毒動物(ハチなど)による刺症などがこれに含まれます。心理的問題を抱えている方が大部分を占めるため、身体的治療と並行して、精神科と連携を取って対応をしています。
 3番目に多いのは、造影剤や薬物、原因不明によるアナフィラキシーショックの患者さんです。1泊2日の経過観察入院が多いため、平均在院日数が2.00日と短くなっています。
 4番目に多いのは、敗血症の患者さんです。その中でも、持続緩徐式血液濾過を行った患者さんが多いです。
 5番目に多いのは、心停止等による低酸素性脳症(蘇生後脳症)に対して、人工呼吸等を行った患者さんです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
 初発再発病期分類
基準(※)
版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌 124 16 15 35 35 1 8
大腸癌 79 25 60 49 38 1 8
乳癌 59 30 10 1 8
肺癌 140 46 101 131 115 200 1 8
肝癌 15 14 18 12 54 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

【集計方法と定義】
◇2023年度(R5年)に入院治療を行った、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の5大癌について、初発患者はUICCのTNMから示される病期分類別に、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示しています。
◇患者数は延患者数です。例えば、同一患者さんが入退院を繰り返す場合は、繰り返した回数分を集計します。
◇TNM分類情報は、一連の治療を決定する際に用いた、術前所見に基づいています。
◇TNM分類が不正確等でステージが不明な場合は、「不明」として集計しています。
◇患者数10症例未満のステージについては、患者数を非公開としています。

【解説】
 当院はがん診療連携拠点病院の指定をうけており、がんに対し集学的治療を行っております。紹介率の増加やがん検診の促進により、5大がんについてはステージⅠの早期がんのうちに発見される症例が多い傾向にありました。
 また、肺癌では再発した患者さんの割合も多く、継続した治療を行っていることもわかります。
 なお、肺癌のステージ不明については、癌疑いの検査目的で入院する場合など、判断不可能な件数です。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
 患者数平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 36 16.42 73.00
重症 30 20.33 81.23
超重症 14 23.29 74.00
不明
【集計方法と定義】
◇成人(20歳以上)の市中肺炎について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。
◇入院契機傷病名および最も医療資源を投入した傷病名に対するICD10コードがJ13~J18$で始まるものに限定しています。
◇重症度分類は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による分類(A-DROP)を用いて、年齢(Age)、脱水(Dehydration)、呼吸(Respiration)、意識障害(Orientation)、収縮期血圧(Pressure)の各項目1点の5点満点により評価します。
 軽症:0点の場合。
 中等症:1~2点の場合。
 重症:3点の場合。
 超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。
◇市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、肺炎レンサ球菌による肺炎、インフルエンザ菌による肺炎、肺炎桿菌による肺炎、ブドウ球菌による肺炎等があります。
◇患者数10症例未満の重症度については、各項目を非公開としています。

【解説】
 当院では、中等症の患者さんが一番多く、つづいて重症、超重症となり、平均年齢も高くなっています。高齢の患者さんは慢性の呼吸器疾患を合併していることも多く、重症化した患者さんに対しては人工呼吸管理下での治療を行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
3日以内 261 27.74 74.71 46.91%
その他 14 21.86 69.29
【集計方法と定義】
◇脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。
◇最も医療資源を投入した傷病のICD10がI63$である症例を集計しています。
◇発症日から「3日以内」「その他」に分けて集計しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。
 
【解説】
 栃木県では脳卒中(脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、くも膜下出血)の発症数が多く、当院では脳卒中センターを有し、脳卒中による後遺症を最小限にするため、24時間365日体制で脳卒中と立ち向かっています。
脳梗塞の治療は、病型(脳梗塞の種類)・部位により点滴や内服による治療薬も再発予防薬も異なり、リハビリ、手術が必要になることもあり、初期の正確な病型分類が治療成績を左右するといわれています。そのため、救命センター・診療部・看護部・放射線科・検査技術部が総力・高度な院内連携システムを構築し、超急性期の先進治療から地域と連携をとりながら社会復帰にいたるまでの包括的な医療を実現しています。
 脳梗塞の患者数より、「発症から3日以内」に入院される患者さんは、全体の94.91%を占めています。後遺症の予防と軽減のためにすぐに治療を開始し、症状が落ち着いた後は、患者さんの状態に合わせて自宅へ退院や回復期リハビリテーション病院へ転院となります。患者さんが安心して退院できるように、入院初期の段階から退院支援を積極的に行っています。転院率は、「発症から3日以内」が46.91%です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 257 2.53 3.99 70.66  
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 106 0.01 11.30 69.95  
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 92 0.00 14.79 67.17  
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 88 2.18 4.06 74.60  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 70 1.30 6.49 75.96  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 循環器内科で最も多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの)です。冠動脈硬化症や狭心症に対して、主に待機的に行う治療です。クリニカルパスを適用しているため、平均術前日数が2.53日、平均術後日数が3.99日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの)です。
 3番目に多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの)です。この手術は、急性心筋梗塞に対して行いますが、来院から手術開始(バルーンカテーテルによる再潅流時間(door to balloon time))までの時間が90分以内となっており、患者さんの救命に大きく貢献しています。緊急入院がほとんどであり、入院当日に手術を行うため、平均術前日数は0.00日となっています。
 4番目に多い手術は、冠状動脈硬化症に対する経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル)で、硬い病変に対して行う術式です。
 5番目に多い手術は、四肢の血管拡張術・血栓除去術です。主に下肢の閉塞性動脈硬化症に対して行います。閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化により血管内腔が狭窄または閉塞して、それより末梢領域に虚血をきたす疾患です。そのため、大腿を穿刺し、カテーテルを用いて狭窄や閉塞部分を貫通し、バルーンカテーテルで拡張します。
消化器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 90 0.68 2.17 - 66.17  
K654 内視鏡的消化管止血術 67 1.09 11.75 - 72.84  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 46 3.24 12.09 - 76.30  
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 42 0.38 7.24 - 60.52  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 39 1.00 6.87 - 75.03  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。

【解説】
 消化器内科で最も多い手術は、ポリープの大きさが長径2cm未満の内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。内視鏡によって大腸ポリープを切除する治療です。入院当日に手術を行うことが多く、平均術後日数は2.17日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、内視鏡的消化管止血術です。胃や十二指腸などの出血部位を内視鏡で確認し、クリップやレーザーにより止血する治療です。出血性胃潰瘍や出血性十二指腸潰瘍などに対して行いますが、救急患者さんが多く、緊急で入院当日もしくは翌日に手術を行います。そのため、平均術前日数が1.09日となっています。
 3番目に多い手術は、内視鏡的胆道ステント留置術です。内視鏡によって十二指腸乳頭を切開し、胆管の狭窄部にステントを留置する治療です。
 4番目に多い手術は、内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術です。食道・胃静脈瘤は再発しやすいため一定期間をおいて繰り返し治療を行うことがあります。
 5番目に多い手術は、血管塞栓術(肝動脈化学塞栓療法)です。肝細胞癌に対し、目的の動脈(肝動脈など)に管を入れて、病変に関係する動脈に抗がん剤と塞栓を行う治療です。
呼吸器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K510-3 気管支鏡下レーザー腫瘍焼灼術 22 1.41 4.50 - 69.95  
K601-21 体外式膜型人工肺(1日につき)(初日) - - - - -  
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 - - - - -  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇2位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 呼吸器内科で最も多い手術は、気管支鏡下レーザー腫瘍焼灼術です。肺癌による気管支の高度狭窄や完全閉塞の患者さんに対して、気管支鏡下で腫瘍を焼灼します。
 その他に体外式膜型人工肺(ECMO)、胸腔鏡下試験切除術、血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術)などが実施されています。
脳神経内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 47 0.62 32.96 76.60% 78.32  
K386 気管切開術 11 16.00 98.09 90.91% 71.36  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -  
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -  
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています

【解説】
 神経内科では塞栓性脳梗塞に対し、脳神経外科と連携して治療を行っており、脳神経外科にて脳動脈に詰まった血栓を回収治療後、速やかに神経内科に転科し、急性期薬物療法とリハビリにて再発予防のためのリスク低減を行います。発症後早期に適切な血栓回収術と血栓溶解薬物療法、リハビリを行うことで、在宅復帰が可能になります。
 その他に気管切開術、経皮的内視鏡下胃瘻造設術などが実施されています。
腎臓内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 14 13.21 24.50 - 67.86  
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -  
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇2位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 腎臓内科で最も多い手術は、末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの)です。体内の老廃物を排出できなくなるため、腎機能の回復が見込めない慢性腎不全に対して血液透析を行うため、シャント(動脈と静脈を吻合したもの)を作成します。この手術は、患者さん自身の血管を使用し、作成したものです。予約入院が一般的ですが、腎機能の悪化により救急搬送される患者さんは、状態が落ち着くまで治療を行ったあとシャントを作成することが多いため、平均術前日数が24.50日と長くなります。
 2番目に多い手術は、血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)です。自身の血管を使用して内シャントが作成できない場合に人工血管を皮下に移植してシャントを作成します。
外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆のう摘出術 173 1.89 3.34 - 60.83  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 110 0.99 2.15 - 66.65  
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 89 0.56 2.40 - 71.35  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 70 3.44 8.86 - 72.24  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 55 0.58 3.00 - 42.58  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満のため、転院率を非公開としています。

【解説】
 外科で最も多い手術は、腹腔鏡下胆のう摘出術です。胆のう炎や胆のう結石症に対して行う手術で、腹腔鏡により腹腔内を観察しながら、腹壁から腹腔内に挿入した鉗子類を用いて胆のうを摘出します。腹壁破壊が少ないため、術後の疼痛が少なく、入院期間や回復期間も短縮、また傷が小さく美容的にも優れているなどの多くの利点があります。手術後は早めに歩行や経口摂取を開始するため、平均術後日数は3.34日となっています。
 2番目に多い手術は、腹腔鏡下で行う鼠径ヘルニア手術です。平均術後日数は2.15日と短くなっています。
 3番目に多い手術は、前方アプローチ法で行うヘルニア手術(鼠径ヘルニア)です。平均術後日数は腹腔鏡下よりやや長くなるものの2.40日となっています。
 4番目に多い手術は、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術です。腹腔鏡下手術のため、平均術後日数は8.86日となっています。
 5番目に多い手術は、虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対する切除術です。平均術後日数は3.00日と短くなっています。
呼吸器外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)(ダヴィンチ手術を含む) 64 1.19 7.52 - 70.38  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 17 1.00 5.59 - 74.18  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)(ダヴィンチ手術を含む) 15 1.40 6.00 - 71.47  
K5132 胸腔鏡下肺切除術(部分切除) 11 2.55 4.27 - 50.27  
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術(ダヴィンチ手術を含む) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日までの日数としています。
◇5位のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 呼吸器外科で最も多い手術は、肺癌に対して行う胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)です。当科では2020年(R2年)11月より、手術支援ロボット「ダヴィンチ」(注1* )を使用した胸腔鏡下での手術を積極的に行っています。低侵襲で呼吸機能の温存ができるため、高齢の患者さんや合併症をもつ患者さんにとって大きな利点があります。患者さんへの負担が少ない一方で、視野が狭い中での突発的な出血に対する臨機応変な対応が求められるなど、高い技術が必要となります。クリニカルパスを適用しており、平均術後日数は7.52日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、肺癌に対して行う胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)です。
 3番目に多い手術は、肺癌に対して行う胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)です。
 4番目に多い手術は、良性の肺腫瘍・肺疾患に対して行う胸腔鏡下肺切除術(部分切除)です。
 5番目に多い手術は、良性の縦隔腫瘍に対して行う胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術です。

注1* 手術支援ロボット「ダヴィンチ」  高度なロボット工学技術を駆使した最先端の手術支援ロボット。患者さんの体に1~2cmの小さな穴を数か所開け、そこへロボットアームや内視鏡を挿入します。術者は患者さんに触れずに、離れた場所から高画質で立体的な3D画像を見ながら、ハンドルやフットペダルを操作して手術を行います。
整形外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 194 1.99 12.62 61.34% 68.47  
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿) 69 3.68 10.12 17.39% 52.67  
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 64 1.48 16.66 43.75% 67.59  
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓切除) 46 2.91 13.15 - 72.80  
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿) 33 1.30 2.82 - 41.15  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 整形外科で最も多い手術は、人工関節置換術(肩、股、膝)です。当院は人工関節センターを設置しているため、人工関節置換術を積極的に行っています。その中でも、変形性股関節症や変形性膝関節症などに対して行う、関節の置換術が最も多くなっています。
 2番目に多い手術は、骨折観血的手術(前腕、下腿)です。前腕(橈骨、尺骨)や下腿(脛骨、腓骨)の骨折に対して、プレートやねじ、鋼線などを用いて骨折部分を固定します。
 3番目に多い手術は、骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)です。救命救急センターを併設しているため、交通事故や転倒による骨折が多く、専門の医師が診療しています。その中でも、大腿骨骨折が最も多くなっています。併存症のある患者さんが多いため、術前の他科依頼を要します。そのため、手術日までの期間が、平均術前日数は1.48日となっています。また、当院は地域の病院と連携しており継続してリハビリを行うことが出来るため、転院率は43.75%となっています。
 4番目に多い手術は、椎弓切除術です。腰部脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症の患者さんに対して行う手術です。脊椎・脊髄外科の専門医が診療しています。
 5番目に多い手術は、骨内異物(挿入物を含む。)除去術です。前腕(橈骨、尺骨)や下腿(脛骨、腓骨)の骨折に対して、プレートやねじ、鋼線など骨折部分を固定したものを骨折が治った後に抜く手術です。
脳神経外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 36 1.06 35.89 52.78% 65.69  
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 35 3.80 11.77 - 75.11  
K1781 脳血管内手術(1箇所) 23 2.43 40.13 - 61.48  
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの) 14 1.00 38.14 - 64.29  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇交通事故や労災などによる保険外診療については、集計から除外しています。
◇5位のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 脳神経外科で最も多い手術は、脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)です。脳動脈瘤に対して行うもっとも一般的な手術です。未破裂の脳動脈瘤に対して行う場合と、破裂の脳動脈瘤に対して行う場合があります。平均在院日数は未破裂と破裂では異なりますが、この手術に対する平均術後日数は35.89日となっています。
 2番目に多い手術は、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫に対して行う手術です。運動麻痺や認知障害などの症状、頭部外傷などで発見されることがあり、脳の萎縮がみられる高齢者に多く、平均年齢は75.11歳となっています。また、診断後に緊急手術が必要な場合が多く、平均術前日数は3.80日となっています。手術後は早期から症状が回復できるので、平均術後日数は11.77日と比較的短期間で退院となっています。
 3番目に多い手術は、脳血管内手術(1箇所)です。脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの血管異常に対して、脳血管内にカテーテルを入れ、その凝固を目的にプラチナコイルを挿入します。
 4番目に多い手術は、頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの)です。硬膜下血腫に対して、血腫除去を目的に行います。
 5番目に多い手術は、頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの)です。脳腫瘍(良性または悪性)に対して行う手術です。脳の機能に影響が大きい部位の腫瘍や大きな腫瘍を摘出する場合は、非常に高い技術が求められます。
形成外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、大腿、下腿、躯幹) 18 0.94 2.67 - 50.50  
K0063 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上,12㎝未満) 10 0.80 3.00 - 42.10  
K0152 皮弁作成術・移動術・切断術・遷延皮弁術(25以上100未満) - - - - -  
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。) - - - - -  
K0053 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4㎝以上) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 形成外科で最も多い手術は、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、大腿、下腿、躯幹)です。
 2番目に多い手術は、皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部以外)です。皮膚,皮下腫瘍摘出術は部位や腫瘍の大きさによって、術式のKコードと名称が異なります。
 3番目に多い手術は、皮弁作成術・移動術・切断術・遷延皮弁術です。
 4番目に多い手術は、眼窩骨折に対して行う眼窩骨折観血的手術です。
 5番目に多い手術は、皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)です。頭部や四肢などの露出部に対して行います。
 指導医の増員に伴い、より専門性の高い診療を行うことができるようになりました。
心臓血管外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 87 1.09 6.60 - 75.98  
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 86 2.70 8.69 - 72.58  
K560-22ニ オープンステントグラフト内挿術(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの) 48 1.58 29.46 41.67% 70.44  
K597-2 ペースメーカー交換術 34 0.97 1.09 - 83.88  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 30 0.93 2.37 - 72.10  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 心臓血管外科で最も多い手術は、腹部大動脈瘤や腹部大動脈瘤破裂に対して行うステントグラフト内挿術、2番目に多い手術は、胸部大動脈瘤、解離性胸部大動脈瘤に対して行うステントグラフト内挿術です。ステントグラフト手術は、経カテーテル的に人工血管を留置し、血管を内側から補強することで動脈瘤の破裂を防ぎます。高齢者や高血圧、冠動脈疾患などの合併症を持つ患者さんにとって、開胸・開腹手術は負担が大きく危険を伴うため、患者さんへの負担が少ないステントグラフト手術が注目されています。高齢者でも手術が行えるため、平均年齢が胸部大動脈では72.58歳、腹部大動脈では75.98歳と高くなっています。
 3番目に多い手術は、オープンステントグラフト内挿術です。上行・弓部大動脈瘤や大動脈解離に対して行います。
 4番目に多い手術は、ペースメーカー交換術です。バッテリーの消耗や電気回路の故障に対して行う手術です。
 5番目に多い手術は、血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの)です。主に、腸骨動脈瘤や腹部大動脈瘤等に対して行います。
小児科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 73 0.00 13.86 - 0.00  
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 14 0.00 19.64 - 0.00  
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの) - - - - -  
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) - - - - -  
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 コードによる集計上、手術に分類されていますが、小児科で最も多い手術は、新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの)です。生まれて間もない新生児は呼吸状態や循環状態が悪くなることがあり、新生児仮死は重要な原因の1つです。呼吸と循環の補助のために行うのが蘇生術になり、口や鼻からの分泌物の吸引、啼泣のための皮膚刺激、酸素投与、気管内挿管が含まれます。新生児仮死の程度についてはApgar Score(注1*)で評価します。
 2番目に多い手術は、新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの)です。仮死第1度より状態が悪く、平均術後日数も19.64日と長くなります。
 その他に腸重積症整復術(非観血的なもの)、心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの)、経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの)などが実施されています。

注1* Apgar Score(アプガースコア)は心拍数、呼吸、筋緊張、反射、皮膚の色について、それぞれ0~2点をつけ、生後1分と5分で判定します。0~10点となり、点数が低い程、悪い状態といえます。第1度仮死は4~6点、第2度仮死は3点以下に相当します。状態に応じて、呼吸と循環の補助のための蘇生術が必要になり、口や鼻からの分泌物の吸引、啼泣のための皮膚刺激、酸素投与、気管内挿管などを行います。
産婦人科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 167 2.63 6.04 - 34.34  
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 143 2.15 6.34 - 33.45  
K877 子宮全摘術 139 1.44 5.71 - 49.75  
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 72 0.92 3.89 - 42.85  
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(ダヴィンチ手術を含む) 66 1.09 4.44 - 47.97  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 産婦人科で最も多い手術は、選択的帝王切開術です。帝王切開術は、子宮を切開して胎児を娩出させる手術で、骨盤位(逆子)や既往帝王切開後妊娠(以前に帝王切開をしたことがある)に対して、事前に手術日を決めて選択的に行います。
 2番目に多い手術は、緊急帝王切開術です。胎児機能不全(胎児仮死)や胎児回旋異常、前期破水など分娩時の合併症に対して、緊急的に行います。最近では、ハイリスク妊娠が増えたこと、児に対してより安全性を求めるようになったこと、日本においても訴訟が増えていることなどから、徐々に増加傾向にあります。
 3番目に多い手術は、子宮全摘術です。子宮筋腫や子宮癌、子宮頸部異形成などに対して行う手術です。
 4番目に多い手術は、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの)です。主に卵巣のう腫や卵巣子宮内膜症のう胞に対して行う手術です。
 5番目に多い手術は、腹腔鏡下腟式子宮全摘術(ダヴィンチ手術を含む)です。当科では2021年(R3年)11月より、手術支援ロボット「ダヴィンチ」(注1* )を使用した腹腔鏡下での手術を積極的に行っています。傷が小さいため、術後の痛みが少なく早期離床が可能であり、社会復帰が早い特徴があります。

注1* 手術支援ロボット「ダヴィンチ」  高度なロボット工学技術を駆使した最先端の手術支援ロボット。患者さんの体に1~2cmの小さな穴を数か所開け、そこへロボットアームや内視鏡を挿入します。術者は患者さんに触れずに、離れた場所から高画質で立体的な3D画像を見ながら、ハンドルやフットペダルを操作して手術を行います。
耳鼻咽喉科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 41 1.00 4.98 - 28.34  
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 34 0.29 5.44 - 43.18  
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 30 1.03 5.30 - 54.57  
K4611 甲状腺部分切除術,甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 24 1.00 5.00 - 56.54  
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 23 1.17 4.96 - 58.00  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。


【解説】
 耳鼻咽喉科で最も多い手術は、口蓋扁桃手術(摘出)です。扁桃炎を繰り返す慢性扁桃炎や扁桃肥大による嚥下障害・呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群など)に対して行う手術です。比較的に若い年齢の患者さんが多く、平均年齢は28.34歳となっています。また、クリニカルパスを適用しているため、平均術後日数が4.98日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、扁桃周囲膿瘍切開術です。
 3番目に多い手術は、耳下腺腫瘍摘出術です。
 4番目に多い手術は、甲状腺部分切除術です。主に甲状腺の良性腫瘍に対して行われています。
 5番目に多い手術は、甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わないもの)です。甲状腺癌に対して行い、腫瘍を含め周囲の甲状腺を切除する程度から、片葉切除まで行う場合があります。
眼科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 583 0.78 1.01 - 75.47  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 33 1.00 4.48 - 65.18  
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの) 12 1.17 1.50 - 75.17  
K279 硝子体切除術 10 0.60 1.30 - 72.40  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含まないもの) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇5位のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 主要手術別患者数でみると、最も多いのは水晶体再建術(眼内レンズ挿入)です。白内障に対して行う一般的な手術です。
 2番目と5番目に多いのは、硝子体茎顕微鏡下璃断術です。網膜前膜、黄斑円孔、増殖性糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、硝子体出血等に対して行う手術です。硝子体茎の離断に際し、硝子体が網膜と強固に癒着している場合や網膜病変の合併が見られる場合には、網膜付着組織に対する処置を同時に行います。
 3番目に多いのは、水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの)です。
 4番目に多いのは、硝子体切除術です。
泌尿器科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 153 1.56 4.07 - 73.54  
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 128 1.28 2.45 - 62.00  
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 74 1.16 8.43 - 69.58  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 64 1.25 7.77 - 76.17  
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 51 1.27 5.00 - 72.53  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 泌尿器科で最も多い手術は、膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの)です。早期に内視鏡で発見された、浸潤性でない膀胱癌に対して行う手術です。電気メスと切除用電極の進歩により、膀胱内視鏡下に使用する液体を生体にやさしい生理食塩液にて手術しています。内視鏡的に経尿道的切除術を行うため、平均術後日数は4.07日と短くなっています。
 2番目に多い手術は、経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)です。腎結石症や尿管結石症に対して行う手術です。経尿道的に内視鏡を挿入し、超音波やレーザーなどで結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテル等を用いて摘出します。クリニカルパスを適用しているため、平均術後日数は2.45日と短くなっています。
 3番目に多い手術は、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)です。前立腺癌に対して手術支援ロボット「ダヴィンチ」(注1* )を用いて行います。
 4番目に多い手術は、経尿道的尿管ステント留置術です。尿管狭窄や水腎症、急性腎盂腎炎などに対して行う手術です。経尿道的にカテーテルを留置し、尿の停滞を解除します。また、尿管狭窄に対しては、経尿道的にバルーンで拡張します。緊急入院で入院当日に手術を行う場合が多く、平均術前日数は1.25日となっています。また、経尿道的な手術のため、平均術後日数は7.77日となっています。
 5番目に多い手術は、経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術です。前立腺肥大症に対してレーザーを使用し、前立腺組織を蒸散させたり、前立腺を切除したりします。

注1* 手術支援ロボット「ダヴィンチ」  患者さんの体に1~2cmの小さな穴を数か所開け、そこへロボットアームや内視鏡を挿入します。術者は患者さんに触れずに、離れた場所から高画質で立体的な3D画像を見ながら、ハンドルやフットペダルを操作して手術を行います。
救急・集中治療科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 17 0.24 17.29 - 60.71  
K386 気管切開術 11 8.36 28.91 - 67.09  
K6021 経皮的心肺補助法(1日につき)(初日) - - - - -  
K601-21 体外式膜型人工肺(ECMO) - - - - -  
K125 骨盤骨折観血的手術(腸骨翼骨折観血的手術及び寛骨臼骨折観血的手術を除く。) - - - - -  
【集計方法と定義】
◇診療科別に手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。
◇手術術式の点数コード(Kコード)により集計していますが、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術およびすべての加算は除外しています。
◇術前日数は入院日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)退院日まで日数としています。
◇3位以下のKコードについては、患者数10症例未満のため、各項目を非公開としています。
◇転院数10症例未満の症例は、転院率を非公開としています。

【解説】
 当院では救命救急センター内に「ECMOセンター」を開設しており、ECMOスペシャリストを複数人擁しています。ECMOに精通する後進の育成にもチカラをいれており、日本各地の医療機関からECMO研修生を受け入れ、我が国のECMO診療の質向上を目指して活動しています。ECMO導入は院内だけでなく、ドクターカーによる他院への出張導入にも対応しています。2023年度の導入実績は77件(入院)であり、総日数(のべ)約482日にもおよぶ治療を24時間体制で行っています。
 救急・集中治療科で最も多い手術は、血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術)です。外傷による肝臓や脾臓などの腹腔内臓器損傷、骨盤骨折による骨盤内血管からの出血を止めるために行います。緊急手術が必要な場合、入院当日に実施されることが多いです。
 2番目に多い手術は、気管切開術です。呼吸困難や喀痰排出困難に対し、前頚部を切開して、気管カニューレを挿入し気道を確保する手術です。
 3番目に多い手術は、経皮的心肺補助法です。心肺蘇生や重症心不全等の患者さんに対して行われる生命維持法で、心臓と呼吸の補助をします。
 4番目に多い手術は、体外式膜型人工肺(ECMO)です。急性呼吸不全や慢性呼吸不全急性増悪等の患者さんです。人工呼吸器では対応出来ない場合に行われ、呼吸の補助をします。重症COVID-肺炎などに多く使用されています。
 5番目に多い手術は、骨盤骨折観血的手術です。骨盤骨折等に対して行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一 - -
異なる - -
180010敗血症同一 54 0.35%
異なる 41 0.27%
180035その他の真菌感染症同一 - -
異なる - -
180040手術・処置等の合併症同一 32 0.21%
異なる - -
【集計方法】
◇医療資源最傷病名が播種性血管内凝固(DIC)、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数を集計しています。
◇発生率は各症例数の全退院患者数に対する割合を示しています。
◇「同一性の有無」とは、各医療資源最傷病の症例(DPC6桁レベル)について、入院契機傷病名に対するICD10コードが、医療資源最傷病名に対応するICDコードに該当している場合は「同一」となります。
◇患者数が10症例未満については、各項目を非公開としています。
  
【解説】
 敗血症は、感染に起因した全身性炎症反応症候群(SIRS)であり、血液培養を含む各種培養検査を施行し、原因菌確認と原発感染巣の確認を行う必要があります。原因菌には、肺炎球菌や溶連菌、MRSAなどがあります。多臓器不全の症状(敗血症性ショック)が出現することもあり、厳密な循環管理や、必要に応じて昇圧剤の投与を行う場合もあります。入院時より発症している「入院契機と同一」の患者さんの発生率は0.35%です。敗血症性ショックを起こしている重症な患者さんも多く、人工呼吸器管理や循環管理を行います。入院後に発症している「入院契機と異なる」患者さんの発生率は0.27%です。手術後などの合併症として発症する場合があり、多数の傷病を持っている患者さんは重症化することもありますが、発症した場合は各専門科と連携をとり集中的な治療を行っています。また、当院では救命救急センターを併設しているため、他の病院から重症な患者さんを紹介されることも多くあります。
 手術・処置等の合併症では、CT撮影時の造影剤によりショックを起こした患者さんや、がん治療の抗がん剤によるアレルギー症状を起こした患者さん、CVポート留置後にカテーテル感染を起こした患者さんなどです。すべての症例が入院時より発症している「入院契機と同一」の患者さんで、発生率は0.21%です。

医療の質指標

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2,686 2,195 81.72%
【集計方法】
◇2023年度(R5年)に退院された患者さんのうち、15歳以上を集計対象としています。
 ただし、入院後 24 時間以内に死亡した患者、臓器移植は集計対象外。
◇自費、自賠責、労災等の保険証を使用しない患者さんは対象外。
◇2023年度内に、リスクレベルが「中」以上の手術を実施した患者さんを分母としています。
◇リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出。
◇分母のうち、2023年度入院期間中に、肺血栓塞栓症予防管理料または抗凝固療を投与した患者さんを分子としています。
◇集計値は次の式で算出した値としています。
(分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数 / 肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数) ×100

【解説】
 肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈にできた血栓(深部静脈血栓症)が血液によって運ばれ、肺動脈に閉塞をおこしてしまう重篤な病態です。手術後の安静臥位(体位)がリスクになると考えられており、これを予防するため適切な対策を行う必要があります。そのため、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年改訂版)」(日本循環器学会等)に基づいて弾性ストッキング(着圧ソックス)の着用、間歇的空気圧迫装置(フットポンプ)の利用、抗凝固薬(ヘパリン、ワルファリン等)などの予防が行われています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
6,778 1,970 29.06%
【集計方法】
◇2023年度(R5年)に血液培養検査を実施した患者さんを集計対象としています。
◇上記の患者さんのうち、血液培養検査が、1 患者 1日毎に実施された日数を集計し、分母としています。
◇血液培養検査の実施回数が 1 日 2 回以上の日数を合計し、分子としています。
◇集計値は次の式で算出した値としています。
(血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数 / 血液培養オーダー日数) ×100

【解説】
 血液培養とは血液中の菌の存在を確認するために行われる検査です。敗血症や菌血症の感染症診断に用いられ、適切な治療方針の決定や感染源の特定に役立ちます。
 血液培養で検出された病原体に基づいて、適切な抗菌薬を選択することが可能になります。適切な抗菌薬による治療は、患者さんの生存率を向上させ、合併症を予防する上でとても重要です。
 通常2回(2セット)検査を行うことが望ましいとされており、別の腕から1か所ずつ採血を行います。これは、採血時の不十分な消毒等による、血液中に存在しない細菌が培養ボトルに混入し増殖してしまうことを防ぐためです。存在しない菌が混入してしまうと、原因菌の特定の妨げになります。
 当院においても、検査時は2セット行うことがマニュアル決められています。
 実施率を見ると29.06%と低くなっています。これは、電子カルテシステムにおいて、2セット実施していても1セット算定と誤った設定になっていたためでした。
 システム修正後の2024年1月~3月においては、実施率97.91%という結果でした。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
2,486 1,260 50.68%
【集計方法】
◇2023年度(R5年)に退院された患者さんを集計対象としています。
 ただし、入院後 24 時間以内に死亡した患者、臓器移植は集計対象外。
◇自費、自賠責、労災等の保険証を使用しない患者さんは対象外。
◇上記集計対象の患者さんのうち、2023年(R5年) 4 月1 日から2024年(R6年) 3 月 31 日において、広域スペクトルの抗菌薬が投与された患者さんを分母としています。
◇分母のうち、当該入院日~抗菌薬投与日までの期間に細菌培養同定検査を実施した患者さんを分子としています。
◇集計値は次の式で算出した値としています。
(分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数 / 広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数) ×100

【解説】
 血液培養で検出された病原体(起因菌)に基づいて、適切な抗菌薬を選択することが可能になります。適切な抗菌薬による治療は、患者さんの生存率を向上させ、合併症を予防する上でとても重要です。
 全体の集計では50.68%となっていますが、これは一部の診療科において、手術実施前、予防的に抗菌薬を実施しているためです。周術期クリニカルパスに含まれるため、全患者さんに実施されます。
 予防的抗菌薬投与および入院日が2023年3月以前を除くと、細菌培養実施率は87.40%でした。
更新履歴
2024年9月25日
情報公開