臨床工学課
臨床工学課のご紹介
臨床工学課は透析係とME(Medical engineering)係で構成されており、21名の技士で担当しています。業務内容として、生命維持管理装置の操作と保守点検を主に、血液浄化療法業務、手術室業務、集中治療室業務、呼吸療法業務、医療機器管理業務を行っています。経験豊富なスタッフを軸に若手スタッフを指導し、より安全に医療を提供できるよう努めています。
業務内容
血液浄化療法
●透析とは●
腎不全になると体内に老廃物が蓄積します。その老廃物を透析によって取り除きます。透析には大きく分けて血液透析と腹膜透析があり、当院では主に血液透析を臨床工学技士、看護師が行っており、腹膜透析を医師、看護師主体で行っています。血液透析では人工腎臓を用いて血液中に蓄積した老廃物と水分を除去します。通常1回の透析で3~5時間行い、1週間に2~3回の透析を行います。
- 透析液を洗浄化するために微粒子除去フィルターを設置しています。
- 透析用希釈水の供給ラインは菌の繁殖を抑える配管材料を使用し、且つ循環ラインを設け水の流れを常に保っており、菌の繁殖を抑えるよう工夫しています。
- 透析用監視装置には血液透析用の機械のほか血液濾過透析、血液濾過などの機能を備えた機械も設置しています。シャント閉塞などのバスキュラアクセストラブルにも対応しています。
- 逆浸透装置(RO)
血液透析にはたくさんの水が必要です。水道水をそのまま透析用水に使用すると、たくさんの不純物が含まれているので治療上問題があります。そのために、水道水の不純物を取り除くために、この装置を用いて透析用水を作成します。 - 透析B粉末溶解装置
透析液中に含まれる重炭酸水素ナトリウム(重層)を逆浸透装置にて生成された水を用いて溶解する装置です。 - 透析A粉末溶解装置
透析液中に含まれる電解質などを逆浸透装置にて精製された水を用いて溶解する装置です。 - 透析液供給装置
透析B粉末溶解装置および透析A粉末溶解装置で作成された2種類の透析用濃縮液と逆浸透装置にて精製された水を用いて適正な濃度に希釈作成する装置です。この装置から、透析室内にある患者監視装置に透析液が供給されます。
血液透析以外にも持続的血液透析濾過、血漿交換、血液吸着(白血球、LDL、デンドトキシン、ビリルビン)等の特殊血液浄化や腹水濃縮再静注も適宜施行しています。
医師・看護師・臨床工学技士のチームワークで患者さんのQOL向上に寄与できるよう治療しています。
人工心肺
心臓血管外科手術に用いる人工心肺装置の操作と回路組立などの業務。また、装置の操作は2人体制で実施しています。緊急手術に対しては24時間on call態勢で対応しています。
手術室
手術室で使用する麻酔器、血液ガス分析装置などの保守点検の実施、麻酔の準備、麻酔トレーの作成や、心臓外科と整形外科で使用している自己血回収装置や神経モニターシステムの操作や管理をしています。
集中治療室
ICU、CCUにおける持続的血液濾過透析(CHDF)やモニター等の管理操作を主に行っています。IABPやPCPSなどの補助循環装置も対応しています。
呼吸療法
呼吸器が安全に使用できる様、使用前点検を行っています。病棟で使用している呼吸器を点検する為のラウンドや、回路交換も行っています。
心臓カテーテル
心臓カテーテル検査中のバイタルサイン監視を主に、ロータブレーダや補助循環装置、IVUS(血管内超音波装置)等の準備や操作を、看護師、放射線技師、臨床検査技師と連携して行っています。
医療機器管理
MEセンターにてシリンジポンプ・輸液ポンプや呼吸器、その他様々な医療機器の中央管理を行っています。ME機器管理システムによりバーコードで管理しています。点検の保守点検や機器のメンテナンスのほか、病棟や外来等で機器の不具合が生じた時の対応もしています。
各種認定士
スタッフ各自のスキルアップのため各種学会認定士取得に取り組んでいます。
・透析技術認定士
・3学会合同呼吸療法認定士
・体外循環技術認定士
・第1種ME認定