形成外科

瘢痕拘縮

瘢痕(はんこん)とはきずあとのことですが、関節や顔面などよく動くところにできた瘢痕によってひきつれ、運動制限などを生じたものを瘢痕拘縮といいます。機能障害や関節の強直、潰瘍(深いきず)を生じるなど、生活の質が落ちるため、多くの場合治療が必要になります。

治療
保存的治療

手術やけがの直後の瘢痕拘縮の場合、時間とともに瘢痕が軟らかくなり、症状が改善することもあります。そのため、症状が軽く、改善の見込みがある場合にはまず保存的治療を行います。保存的治療には、ステロイド含有軟膏やステロイドテープの外用、ステロイドの局所注射や、サポーター、装具の使用などがあります。通常数か月行って経過を見ますが、症状の程度によっては早期に手術治療を行うこともあります。

手術治療

機能障害が強い場合や保存的治療での改善が見込めない場合、手術治療を行います。硬くなった瘢痕の切除、植皮術(皮膚移植)、皮弁形成術などを組み合わせてひきつれを解除します。ケロイドや重度の肥厚性瘢痕を合併している場合、術後に放射線療法を行うこともあります。

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※当院で手術を受けた患者さまから承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。

他院での皮膚悪性腫瘍切除後に感染を生じ、瘢痕による左鼻孔の完全閉塞となった方です。
機能障害を生じている方のきずあとの治療は原則保険診療となります。

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※筆者が当院で執刀した患者さまから承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。

2回に分けて手術を行い、2回目の手術後7カ月の状態です。鼻の閉塞は完全に解除され、
小さな変形は残っているものの、比較的違和感のない外観となっています。