形成外科
立ち耳
立ち耳とは、耳と側頭部との角度が大きく、正面から見て耳が大きく見える状態のことをいいます。耳介形態異常とされる中で最も頻度は高く、5%程度の方に見られるとされるため、特に日本では個性の一つとしてあまり気にされないことも多いです。別項のスタール耳とともに、欧米では好まれないことが多く、積極的に治療が行われるようです。
治療
保存的治療
立ち耳も他の耳の形態異常同様に、生後早期であれば矯正治療が有効です。ただし、埋没耳や折れ耳などに比べ、赤ちゃんの耳の形の異常として認識されにくく、実際に医療機関を受診するのは本人が大きくなってから、というケースが少なくありません。 矯正にはテーピング、熱可塑性樹脂、シリコーンゴムなどを組み合わせて行います。
手術治療
自費診療での手術が行われることもありますが、症状がある場合、基本的には保険診療の対象となります。
手術前の状態です。この方はかなり変形が強く、横になったときに痛みがあるなどの症状がありました。
※筆者が他院で執刀した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。
手術後1年の状態です。耳の後ろを切開し、筋肉の再固定、軟骨の切除や縫合などにより 矯正を行いました。折れ曲がりが強くなりすぎて不自然にならないように調整しています。 局所麻酔の場合、入院は任意、全身麻酔の場合、入院期間は3日程度です。耳の形を整えるためのガーゼを2週間程度固定します。