形成外科

折れ耳

折れ耳とは、耳の上部が前に折れ曲がっている状態のことをいいます。折れ曲がりを直すと耳の大きさは正常である点で、絞扼耳と区別されます。マスクの引っ掛かりが悪いこともしばしばで、治療対象となります。

治療
保存的治療

赤ちゃんのうちに受診された場合には、まずテーピングと矯正器具を組み合わせた保存的治療を行います。他の耳介形態異常同様に、生後早期から治療が開始できると、かなり良い結果が期待できます。逆に、生後6か月を過ぎてしまうと、矯正治療だけで満足できる結果が得られる可能性は低くなります。

ear37 ear38
矯正前の状態です。このお子さんは新生時期より矯正を開始しました。
ear39 ear40
矯正2カ月後の状態です。おおむね良好な形態になっています。

手術治療

写真 折れ耳1 
耳の上の部分がお辞儀をするように折れ曲がる変形です。 このお子さんもマスクの引っ掛かりが悪く、すぐに外れてしまうという訴えがありました。

写真 折れ耳2   
※筆者が他院で執刀した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。

手術後5カ月の状態です。耳の後ろを切開して皮膚をはがし、軟骨の形を矯正してから皮膚を戻します。 まだ少し変形は残っていますが、マスクの外れはなくなったようです。 局所麻酔の場合、入院は任意、全身麻酔の場合、入院期間は3日程度です。 耳の形を整えるためのガーゼを2週間程度固定します。